DJ 小林克也さん
一病息災
[小林克也さん]3度のがん(1)発見のきっかけは「妻のぎっくり腰」…胃の手術は長時間に
子どもの頃、ラジオから流れてくる海外の音楽に興味を抱いた。エルビス・プレスリーに心を奪われ、米軍のラジオ放送など英語の番組に熱心に耳を傾けた。
大学生になると、外国人観光客を相手に通訳やガイド、ナイトクラブでは司会を務めた。29歳の時、DJとしてデビューし、ネイティブのように英語を操り、テレビやラジオで活躍。1980年代の洋楽ブームを支えた音楽番組「ベストヒットUSA」(BS朝日)には今も出演する。
60歳代半ばの時、妻がぎっくり腰になった。「当時の彼女は相当に疲れがたまっていました」
妻は症状が落ち着くと「一緒に人間ドックを受けよう」と誘ってきた。自身は大病の経験はない。軽い気持ちでうなずいた。
2006年3月、ドックで一通りの検査を受けた後、医師に画像を見せられて、胃がんだと告げられた。
「まさか、まさかみたいな……。ひっくり返ったような気持ちで、大きなショックを受けました」。精密検査をして約2週間後、手術を受けることになった。
当時、週1回9時間の生放送を含めて、ラジオのレギュラー番組を複数抱えていた。入院はおよそ2週間だという。知り合いのミュージシャンに代役を頼んだり、とりだめをしたりして、番組に穴を開けないように準備した。
手術前の診断結果は、進行がん。ほかの部位への転移が疑われ、長時間に及ぶ手術に臨むことになった。
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DJ 小林克也 さん(82)
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