2023年11月4日発売の「日経トレンディ2023年12月号」 ▼Amazonで購入する では、「2024年ヒット予測ベスト30」を特集。日経クロストレンドではベスト10を紹介していく。消費は正常化したように見えるがその本質は激変。商品やサービスも大きく変わる。街ではドローン広告が光り、ARグラスワーカーが働く。A2ミルクや斬新レサワで食卓にも変化が起こる。今まで想像できなかった、新たな世界線の時代が始まる。

※日経トレンディ2023年12月号より。詳しくは本誌参照

2024年ヒット予測ベスト30のトップ5
2024年ヒット予測ベスト10のトップ5

 外食や旅行など、経済活動が拡大し、消費の波が戻りはじめた2023年。続く24年は、様々な制限から解き放たれた人々が、堅実さを維持しながらも、「ここだけは譲れない」と“欲”を出す1年となりそうだ。

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【キーワード1】空間エンタメ

 まずキーワードとなるのは「空間エンタメ」。「ドローンショー」は、“5類移行”で再開した花火大会との組み合わせで全国各地に急拡大する。数百台の光るドローンによる華麗なエンタメ体験は多くの人々の心をつかむだろう。さらに空に「QRコード」を映し出すというこれまでにない発想で、新しいビジネスモデルを原動力に勢力を広げる。

 「イマーシブ・フォート東京」もエンタメの姿を激変させる。客はもはや単なる鑑賞者ではなく、劇的な展開に巻き込まれる登場人物の一人に。その場の空間すべてがエンタメになる“完全没入型”の仕掛けは、ちょっとした刺激では満たされなくなった人々の欲求を直撃する。

■ドローンショー&空中QR(1位)
■イマーシブ・フォート東京(21位)

夜空に舞うドローンが巨大な絵を描く(上)
夜空に舞うドローンが巨大な絵を描く

【キーワード2】強刺激

 化粧品分野や飲料の分野でも、そうした〝強い刺激〟の要望に応えるような商品が相次いでヒットしそうだ。

■痛いコスメ(7位) ■未来のレモンサワー(2位)

満足感を得る強い刺激が求められる(右)
化粧品分野や飲料の分野でも、満足感を得る強い刺激が求められる

【キーワード3】1%の我慢

 「欲を満たすためには〝1%の我慢〟さえしたくない」という欲求もトレンドの一つだ。健康食としてブレイクしたオートミールを次の次元に引き上げるのが、味や食感でも妥協したくない人向けの「おいしいオートミール 新ごはん」だ。原料を細かく砕いて米粒の形に加工した本格的な“米化”で、巻きずしやお茶漬けにも使えるようになった。

■おいしいオートミール 新ごはん(13位)
■機能性ランドセル(9位) ■A2ミルク(10位)

「欲を満たすためには〝1%の我慢〟さえしたくない」という欲求もトレンドの一つだ
「欲を満たすためには〝1%の我慢〟さえしたくない」という欲求もトレンドの一つだ

【キーワード4】ながら消費

 倍速動画や完全食など、時間効率を重視する「タイパ思考」はさらに加速し、「ながら消費」へと向かう。例えばコストコの商品を駅併設のロッカーで受け取れる「駅ナカコストコ」は、会社帰りに夕飯用の総菜などを受け取ることができる一石二鳥のサービス。3.5%とアルコール度数が低い「アサヒ スーパードライ ドライクリスタル」なら、本格ビールを味わいながらも深酔いしないでゲームをじっくり楽しめる。

■「駅ナカ」コストコ(4位)
■低アルスーパードライ(17位)

時間効率を重視する「タイパ思考」はさらに加速し、「ながら消費」へと向かう
時間効率を重視する「タイパ思考」はさらに加速し、「ながら消費」へと向かう

【キーワード5】フィジタル

 進化したデジタル技術がリアルな世界をアップデートしていく“フィジタル”の潮流も加速する。代表的な例が「パワードシニア」だ。ピント調節を自動で行う「ViXion01」や聴力を補完する「Jabra Enhance」などを活用すれば、アクティブシニアの能力拡張も可能に。ChatGPTのような対話型AIを搭載した家具が寝起きにミネラルウォーターを持ってくるなど、生活のあらゆるシーンでデジタルとアナログのボーダーレス化も起こりそうだ。

■パワードシニア(8位)
■カチャカ(11位)■PayPay商品券(20位)

デジタルの利便性がリアルにも広がる(左)
デジタルの利便性がリアルにも広がる(左)
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