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 ヒノキ集成材の登り梁と斜材、束で構成した6組のトラス(張弦梁)が特徴的な空間は、日中、外光と照明で暖かな明るさに包まれる〔写真1図1〕。神奈川県大磯町にある聖ステパノ学園小学校の体育館だ。体育館の他、職員室や図書閲覧室、音楽室なども一体化した「体育館棟」として新築し、2019年3月に完成した。

〔写真1〕6組のトラスが特徴的な体育館
〔写真1〕6組のトラスが特徴的な体育館
体育館は、現しの屋根裏に「富士ひのき」の大断面集成材を登り梁にしたトラス(張弦梁)が6組並ぶ。壁面をフラットにして内部空間を収めるため、柱は屋外に張り出す形(写真3参照)で配置(写真:日経ホームビルダー)
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〔図1〕トラス接合部はピン接合金物で構成
〔図1〕トラス接合部はピン接合金物で構成
(資料:O-NUKI設計)
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 体育館棟は、一般的な木造在来工法による2階建ての1時間準耐火建築だ。建築面積は663.54m2、延べ面積は858.54m2で、建築費は約2億円。施工を担った菅家(かんけ)工務店(同平塚市)の菅家芳助代表は、70歳代のベテラン大工職だ。通常は“1人親方”として戸建て住宅をほぼ専門に新築を毎年2、3棟手掛けている。