久しぶりにニュース報道でその名がクローズアップされたF―22「ラプター」。米空軍が配備するステルス戦闘機だ。空対空能力が高く、制空戦闘機と呼ばれる。
1月28日、謎の気球が米国内に侵入。米政府は「これは中国の偵察気球」と断定。すぐに撃墜すべく迎撃態勢を整えたが、破壊した後、破片が住宅街に落下する可能性があったため、安全な場所に到達するまで待つことにした。
こうして2月4日、サウスカロライナ沖の海上に出たところで、任務は遂行された。
ラングレー空軍基地を飛び立ったF―22は、多くの市民が見守る中で、AIM―9Xサイドワインダーを発射して偵察機球を見事撃墜した。
F―22は、世界最強の戦闘機と呼ばれている。その理由が、ステルス化した機体により、敵からすると探知がかなり困難だ。さらに超音速巡航性能を持ち、アフターバーナーを使うことなく、マッハ1・8で飛び続けることができるので、敵を追いかけることも、振り切ることも容易だ。
昨年、米空軍は「2022年12月9日、F―22から初の引退機が出た」とのプレスリリースを出した。ユタ州にあるヒル空軍基地に運び込まれ、今後は同基地内に展示される。
F―22が初飛行をしたのは1997年のこと。20年程度でもう引退するのかと、驚かされたものの、今回引退した機体は特別な事情がある。飛行試験等で使われた試作機であり、もともと実戦配備されていない機体だった。