「帝王的」青瓦台からソウル中心部へ…尹錫悦氏が新大統領府で業務開始、国民との近さアピール

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 【ソウル=溝田拓士】尹錫悦大統領は10日、歴代大統領が執務してきた 青瓦台チョンワデ から、ソウル中心部の龍山地区に移転させた新しい大統領府で業務をスタートさせた。大統領選の公約に掲げたもので、国民との距離の近さをアピールし、国政への支持を得る狙いだ。

10日、市民に一般開放されたソウルの青瓦台(旧大統領府)=溝田拓士撮影
10日、市民に一般開放されたソウルの青瓦台(旧大統領府)=溝田拓士撮影

 広大な敷地を持つ旧大統領府は山麓にあり、1948年の建国以来、ソウル市内を見下ろしてきた。「帝王的」と評される強大な権力の象徴とも言われ、青い瓦屋根から青瓦台と呼ばれた。 朴正煕パクチョンヒ 大統領時代の68年には北朝鮮武装ゲリラの襲撃未遂事件があり、厳重な警備で一般市民が近寄ることも長年、制限されてきた。現在の本館は91年に建設。秘書官らが勤務する建物は分かれており、大統領が民心を把握できなくなる要因と批判されてきた。

 警備面から移転に反対論もあったが、尹氏は「空間が意識を支配する」と踏み切った。新大統領府は10階建ての旧国防省庁舎に入居。今後周辺に公園を整備し、米ホワイトハウスのように鉄柵越しに執務室が見えるようにする計画だ。新大統領府では秘書官も同じ建物で勤務し、大統領専用エレベーターもない。

 一方、青瓦台は10日、公約通りに一般開放され、約2万6000人が訪問した。ソウルの主婦 張淑姫チャンスクヒ さん(78)は「実際来てみると本当に閉鎖的な空間で、国民との意思疎通が難しくなることが分かった気がした」と話した。

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2988022 0 国際 2022/05/10 23:50:00 2022/05/11 00:26:23 2022/05/11 00:26:23 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/05/20220510-OYT1I50122-T.jpg?type=thumbnail

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