[スキャナー]世論、自民党総裁選に影響
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河野氏 ワクチン担当「発信力」/石破氏「人柄」/岸田氏「改革意欲」
読売新聞社の緊急全国世論調査で、河野行政・規制改革相が次期首相にふさわしい候補としてトップに立った。いち早く出馬表明した岸田文雄・前政調会長も支持を伸ばした。衆院選を間近に控え、自民党総裁選は「選挙の顔」選びの側面が強く、今後の展開に影響を与えそうだ。(政治部 栗山紘尚、世論調査部 萩原栄太)
「若い議員は総裁選よりも、その先の衆院選のことを考えている」
河野氏は5日、党内の空気について周囲に語った。29日投開票の総裁選(17日告示)後、11月には衆院選が行われる見通しだ。
河野氏は次期首相にふさわしい政治家で23%となり、21%の石破茂・元幹事長と競り合っている。ただ、党員や党友と意見が近いとみられる自民党支持層に限ると30%に跳ね上がり、石破氏を引き離した。河野氏を支援する議員の一人は「ワクチンの取り組みへの評価と、自分の言葉で伝える発信力が信頼感につながっている」と分析する。
河野氏は新型コロナウイルスのワクチン担当として、前面に出た。国内のワクチン接種は、欧米各国と比べて出遅れたものの、「10~11月の早い時期に希望する国民全員の接種完了」という政府目標の実現に近づいている。
菅首相は表立った動きは控えているが、河野氏を支援する方針で、首相に近い無派閥議員の多くが河野氏支持に回る可能性が高い。ただ、河野氏が所属する麻生派の一部ベテランには、脱原発や女系天皇の検討を主張する河野氏へのアレルギーが根強い。河野氏は6日にも、こうした議員らを回り、出馬への理解を求める考えだ。
高市氏…推薦人確保メド
一方、岸田氏は前回の4%から12%に伸ばした。8月26日にいち早く出馬表明し、強引な党運営で反発が強い二階幹事長を「狙い撃ち」にした党改革案を公表。新型コロナ対策を発表するなど次々と政策を打ち出しているのが奏功したとみられる。