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北海道のトウモロコシ農家と新潟県の蒸留所がタッグを組み、国産ウイスキー造りを進めている。輸入原料に頼るウイスキーがほとんどの中で、北海道産の原料にこだわる。国内の穀物生産拡大の観点からも注目される。(中川慎之介、森田啓文)
新鮮な原料で味わい濃く、甘味強く
パートナー
新潟県村上市の郊外にある「吉田電材蒸留所」。今年3月末、北海道で農場を営む柳原孝二さん(43)が訪れ、松本匡史所長(49)が出迎えた。
同蒸留所では昨年10月からウイスキー造りが始まった。柳原さんは、ウイスキーの主原料となる「
2人はトウモロコシの保管場所や、ウイスキーを熟成している酒だるを見て回った。松本所長は「100%日本産の原料を使ったウイスキーを追求したい」と意気込みを語った。
コロナ禍で
松本所長は、医療機器の設計などを手がける「吉田電材工業」(東京)の経営者でもある。村上市に関連会社の工場を構えていたが、新型コロナウイルス禍で受注が低迷。自身がウイスキーの愛飲家ということもあって、ウイスキー事業に乗り出すことを決めた。工場を蒸留所に改修し、昨年3月に免許を取得した。
異業種からの参入に当たって選んだのは、トウモロコシなどの穀類を主原料とした「グレーンウイスキー」の製造だ。