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物づくりの新興企業を官民で支援する施設「湘南藤沢インキュベーションLABO」が6月1日、藤沢市遠藤で開所する。生産や研究開発の拠点に活用してもらう施設で、市内への企業誘致にもつなげる。鈴木恒夫市長は「起業家が羽ばたける施設になってほしい」と意気込む。
LABOは延べ866平方メートルの鉄骨造2階で、それぞれ24~62平方メートルの18室。いずれも上下水道、電気などの設備があり、巨大な機械の搬入を想定し、高天井で耐荷重の造りとなっている。
市内にはこれまでも、市や中小企業基盤整備機構が新興企業向けの施設を開設してきた。ただ、原則として5年間の入居となり、床の耐荷重など条件を満たす場所が市内にほとんどないため、事業規模に合わない巨大な倉庫を借りたり、軌道に乗っても市外へ拠点を移してしまったりするケースがあった。
湘南エリアに不動産業を展開する「セット」(藤沢市)が中心となって構想したLABOは期間の制限はなく、市内外からの入居が可能。転居してきた企業には、条件に応じて市が最大75万円を助成するなど官民一体の支援体制となっている。同社は起業家を後押しするため、昨年1月にインキュベーション事業部を創設しており、鈴木良隆部長は「成長途中の起業家が苦労する姿を見てきた。不動産業界としてできる支援を考えた」と語る。
市産業労働課によると、相模原市から移転を決めた新興企業など7社の入居が決まっている。鈴木市長は「市外からの企業誘致も進んでいく」と期待する。