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宝塚歌劇団の
女性は9月30日、兵庫県宝塚市の自宅マンションの敷地内で倒れて死亡しているのが見つかった。県警は自殺とみている。
記者会見した川人博弁護士によると、女性は入団7年目で、下級生の演技指導などを行うまとめ役を担っていた。9月の公演などの準備や稽古に追われ、8月末から亡くなるまでの1か月間の時間外労働時間は277時間に上った。
帰宅後も書類作成などの業務を行い、睡眠が3時間ほどの日々が続いた。休日も公演の準備に費やしており、実質的な休みは1日もなかったという。宙組の同期生は多くが退団するなどして、当時は女性を含めてまとめ役が2人しかおらず、「極めて過重な業務を課されていた」と指摘した。
2021年8月には上級生にヘアアイロンを当てられ、額にやけどを負ったという。稽古中に上級生から呼び出され、「下級生の失敗は全てあんたのせいや」「うそつき野郎」と暴言も受けたとしている。
女性の両親ら遺族はコメントを発表し、「娘の笑顔が大好きでした。生きる道を閉ざされ、奪われた娘の苦しみを考えると、胸が張り裂けそうです」と心情を吐露した。
そのうえで、「娘を極度の過労状態におきながら、見て見ぬふりをしてきた劇団と、指導などという言葉では言い逃れできないパワハラを行った上級生が、責任を認めて謝罪することを求めます」と結んだ。
宝塚歌劇団は弁護士による調査チームを設置し、女性が死亡した経緯や背景を調べている。広報担当者は「大変重く受け止めている。調査報告書の内容を踏まえ、ご遺族には誠実に対応していきたい」と話した。