日本の「風流踊」、ユネスコ無形文化遺産へ…郡上踊や西馬音内の盆踊など41件で構成

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野原八幡宮風流(熊本県荒尾市)の映像

五ヶ瀬の荒踊(宮崎県五ヶ瀬町)の映像

「郡上踊」を楽しむ大勢の人たち(2022年7月、岐阜県郡上市で)
「郡上踊」を楽しむ大勢の人たち(2022年7月、岐阜県郡上市で)

 全国から踊り手が集う 郡上踊ぐじょうおどり (岐阜県郡上市)など、41件の伝統的な盆踊りや念仏踊りで構成される「 風流踊ふりゅうおどり 」が、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ、本部・パリ)の無形文化遺産に登録される見通しとなった。ユネスコの評価機関が登録勧告したことを文化庁が1日、発表した。28日からモロッコ・ラバトで開かれる政府間委員会で正式に決まる見込みだ。

 風流踊は衣装や道具に趣向を凝らし、歌や笛などの 囃子はやし に合わせて踊る民俗芸能。屋形を何重にも囲んで踊り、目玉の“徹夜おどり”でも知られる郡上踊や、鮮やかな衣装に編みがさなどをかぶり流麗に踊る 西馬音内にしもない の盆踊(秋田県羽後町)などがある。ほかに、京都市内各所で伝承されている六斎念仏、空海(弘法大師)ゆかりの雨 い行事・綾子踊(香川県まんのう町)などで、今回はこれらの24都府県に伝わる41件が対象となった。

 無形文化遺産の登録には、国内で保護体制が取られていることが必要となる。各地で盆踊りなどは広く行われているが、中でも、今回は国の重要無形民俗文化財に指定され、地元で保存会などが活動している41件に絞られた。このうち、チャッキラコ(神奈川県三浦市)は、2009年にユネスコの無形文化遺産に登録済みで、政府はこれに新たに40件の踊りを追加。華やかで人目をひく「風流」の精神を体現した「風流踊」とグループ化して提案した。

 いずれも江戸時代以前に由来を持つ踊りが多く、各地で厄払いや死者供養、豊作などを祈る行事として発展してきた。過疎化や少子化など時代に応じて変化しながら、現在まで伝承されている。今回の提案では、特に災害が多い日本で、被災地域の復興の精神的基盤となるなど、文化的・社会的な意義を強調している。

 日本の無形文化遺産はそのほかに能楽や歌舞伎、和食、和紙などがあり、チャッキラコを含め、現在22件が登録されている。

 ◆ 無形文化遺産 =建築物など有形の文化財や自然の地形などを守る「世界遺産」に対し、無形の芸能や儀式、社会的慣習などを保護対象とする制度。2003年のユネスコ総会で保護条約が採択され、現在、世界で530件が登録されている。「風流踊」が登録されれば国内では20年の「伝統建築 工匠こうしょう の技」以来となる。

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3479622 0 伝統文化 2022/11/01 08:46:00 2022/11/01 18:34:53 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/11/20221101-OYT1I50043-T.jpg?type=thumbnail

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