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カンヌ国際映画祭まるわかりガイド! レッドカーペットを賑わせるセレブたちと、その裏側。

第68回カンヌ国際映画祭が13日(現地時間)からスタート。ヴェネチア、ベルリンと並ぶ世界三大映画祭の中でもひと際華やかな映画の祭典に集うセレブたちのファッションや滞在先、ガラ・パーティなど、その動向をチェック。Text: Yuki Tominaga

レッドカーペットにまつわるあれこれ セルフィー禁止令発動!レッドカーペットはスマートがお約束に。

昨年のレッド・カーペットでのペトラ・ネムコヴァ。こんな光景、今年はもう見られないかも。Photo: REUTERS/AFLO

1946年に開幕して以来、南フランスのリゾート地に世界中から一流の映画人が集う映画の祭典、カンヌ国際映画祭。メイン会場で、ビーチに面した大通りのクロワゼットに位置するパレ・でフェスティバル・エ・デ・コングレの前のレッド・カーペットは毎年ドレスアップしたセレブたちで華やぐ。全長60メートルのレッド・カーペットに続く24段の大階段は美しいドレスが映える晴れ舞台。盛装した招待客は有名無名を問わず、皆スマートフォンを手に自撮りしていたが、今年はついにレッド・カーペットでのセルフィー自粛のお達しが。あふれ返る報道陣に応えて数歩ずつ歩みを止めてポーズを取るだけでも流れが滞り勝ちなのに、さらにセルフィーで時間をとられては敵わないというわけで、罰則などは特にないが、映画祭総代表のティエリー・フレモーは「馬鹿馬鹿しくてグロテスク」とかなり過激な表現でセルフィー行為を牽制している。
その甲斐あってか、13日(現地時間)のオープニング・セレモニー前のレッド・カーペットは比較的スムーズに進行。セレブたちは報道陣のカメラの放列を前に本領発揮でポーズを決めていた。

メイン会場前に勢ぞろいした審査員たち。ジェイク・ギレンホール(右から2番目)の隣りにシエナ・ミラー、グザヴィエ・ドラン。Photo: REUTERS/AFLO

1946年に開幕して以来、南フランスのリゾート地に世界中から一流の映画人が集う映画の祭典、カンヌ国際映画祭。メイン会場で、ビーチに面した大通りのクロワゼットに位置するパレ・でフェスティバル・エ・デ・コングレの前のレッド・カーペットは毎年ドレスアップしたセレブたちで華やぐ。全長60メートルのレッド・カーペットに続く24段の大階段は美しいドレスが映える晴れ舞台。盛装した招待客は有名無名を問わず、皆スマートフォンを手に自撮りしていたが、今年はついにレッド・カーペットでのセルフィー自粛のお達しが。あふれ返る報道陣に応えて数歩ずつ歩みを止めてポーズを取るだけでも流れが滞り勝ちなのに、さらにセルフィーで時間をとられては敵わないというわけで、罰則などは特にないが、映画祭総代表のティエリー・フレモーは「馬鹿馬鹿しくてグロテスク」とかなり過激な表現でセルフィー行為を牽制している。
その甲斐あってか、13日(現地時間)のオープニング・セレモニー前のレッド・カーペットは比較的スムーズに進行。セレブたちは報道陣のカメラの放列を前に本領発揮でポーズを決めていた。

オシャレ自慢の女優たち セレブのドレス速報! 今年のレッドカーペットはどんな装いで?

カーペッとドレスの色のコントラストが鮮烈なルピタ・ニョンゴ。Photo: REUTERS/AFLO

映画祭のお楽しみの1つは、やはり女優たちの装い。出演作を携えてやって来る女優たちはレッド・カーペットのほかに記者会見やパーティなど、その度に違うスタイリングで楽しませてくれる。
オープニング・セレモニーでは、司会のランベール・ウィルソンが今年の公式ポスターの顔である往年の名女優、イングリッド・バーグマンを紹介しつつ、女性映画人たちの活躍にも言及するなど、今年のカンヌは女性の年? と思える雰囲気に。鮮やかなグリーンのグッチを着たルピタ・ニョンゴや、フェザーのスカートがフラッパーな印象のナオミ・ワッツなどが初日からレッドカーペットを賑わせた。
今後はケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、シャーリーズ・セロン、マリオン・コティヤールなどが参加する。コンペティション部門の審査員のシエナ・ミラーやソフィー・マルソーなども連日、楽しませてくれるはずだ。(ドレススタイルの続きは20日更新のスタイルウォッチで詳しくご紹介予定!)
今年はコンペティション部門に出品の是枝裕和監督の『海街diary』に主演する綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずをはじめ、日本の女優たちも数多く参加するので、そこにも注目したい。

ナオミ・ワッツはエリ・サーブ・クチュールを着用。Photo: REUTERS/AFLO

映画祭のお楽しみの1つは、やはり女優たちの装い。出演作を携えてやって来る女優たちはレッド・カーペットのほかに記者会見やパーティなど、その度に違うスタイリングで楽しませてくれる。
オープニング・セレモニーでは、司会のランベール・ウィルソンが今年の公式ポスターの顔である往年の名女優、イングリッド・バーグマンを紹介しつつ、女性映画人たちの活躍にも言及するなど、今年のカンヌは女性の年? と思える雰囲気に。鮮やかなグリーンのグッチを着たルピタ・ニョンゴや、フェザーのスカートがフラッパーな印象のナオミ・ワッツなどが初日からレッドカーペットを賑わせた。
今後はケイト・ブランシェット、ルーニー・マーラ、シャーリーズ・セロン、マリオン・コティヤールなどが参加する。コンペティション部門の審査員のシエナ・ミラーやソフィー・マルソーなども連日、楽しませてくれるはずだ。(ドレススタイルの続きは20日更新のスタイルウォッチで詳しくご紹介予定!)
今年はコンペティション部門に出品の是枝裕和監督の『海街diary』に主演する綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずをはじめ、日本の女優たちも数多く参加するので、そこにも注目したい。

セレブが集まる関連パーティの数々 高級ジュエラーが軒並み協賛! ファッションショーに駆けつけるモデルも多数。

(左)ドゥ グリゾゴノ創立者のグルオジ氏を囲むカーラとアンバー・ハード。(右)昨年のamfARガラ。ファッションショーのテーマ・カラーはレッドだった。Photo by Instagram/@amfar/amfAR

各界のセレブがカンヌに集結する映画祭期間中は、毎晩あちこちでパーティが開かれる。出品作関係のものはもちろん、毎年恒例のエイズ研究財団「amfAR(American Foundation for AIDS Research)」のチャリティ・ガラやスイスのジュエラー、ドゥ グリゾゴのパーティはいつも大人気。
22回目となるamfARのガラ「シネマ・アゲインスト・エイズ」は今年は21日に開催。ナタリー・ポートマン、ジェイク・ギレンホール、ダイアン・クルーガーらが共同主宰に名を列ねる。会場はカンヌ近郊のアンティーブ岬にある高級ホテル、エデン・ロック。主催の1つであるハリー・ウィンストンのジュエリーとコラボする“ブラック&ホワイト”がテーマのファッションショーやライブが予定されている。シャネル、ディオール、ルイ・ヴィトン、ジバンシィ、グッチ、プラダ、セリーヌ、バルマンなどハイブランドのデザイナーたちが協力するショーにはカーリー・クロスやアドリアナ・リマ、イリーナ・シェイクらがモデルとして登場する。
ドゥ グリゾゴノのパーティもエデン・ロックでひと足先の17日(現地時間)に開かれる。こちらはセレブを招いてのディナー・パーティだが、テラスではファッションショーも開催。アクセサリーはもちろん、グリゾゴノのダイアモンドを使用。昨年はカーラ・デルヴィーニュやアンバー・ハード、トニー・ガーン、シャロン・ストーンやアントニオ・バンデラスらが出席した。今年は「ファッション・フェスティバル」なる新しいイベントも始まり、パーティ・シーンからも目が離せない。

セレブの宿泊事情 一般人はロビーすら立ち入り禁止! セレブに人気のラグジュアリーホテル。

カールトン外観は映画祭仕様で、正面に上映作のポスターをディスプレイ。Photo: REUTERS/AFLO

リゾート地・カンヌには由緒あるラグジュアリーなホテルがたくさん。映画祭期間中は各ホテルの豪華スイートルームをセレブたちが独占する。
19世紀後半に建てられた豪邸を改築し、1929年に創業したマルティネス(Grand Hyatt Cannes Hotel Martinez)。地中海に面したホテルのプライベート・ビーチにはTV局カナル・プリュ」が特設スタジオを設置し、連日スターをゲストにトークやリポート番組を放送する。宿泊客以外はロビーにすら入れないセキュリティ万全な体勢がセレブに人気で、スカーレット・ヨハンソンやダイアン・クルーガー、ロバート・パティンソン、モニカ・ベルッチが宿泊した。ホテル内にはカンヌで唯一のミシュラン二つ星レストラン「パルム・ドール」がある。
マルティネスから数ブロックに位置するのは100年以上の伝統を誇るカールトン(Intercontinenntal Carlton)。ベルエポック時代の美しい建築は歴史的建造物に指定されている。映画祭期間中はここで記者会見などが行われ、ハリウッド・スターの利用も多い。シャロン・ストーンやブルース・ウィリスは常連。クエンティン・タランティーノやウマ・サーマンもここに宿泊した。
メイン会場のパレのすぐそばにあるマジェスティック(Majestic Cannes Barriere)は1926年創業。アールデコ様式の建築で、こちらも歴史的建造物指定。プライベート・プール付きのペントハウスがあり、レストランやスパも充実。ニコール・キッドマン、マリオン・コティヤールやカトリーヌ・ドヌーヴ、ロバート・デ・ニーロ、マシュー・マコノヒー、パリス・ヒルトンらが滞在。
映画祭の喧騒から離れて過ごしたいセレブが滞在するのは、カンヌから13キロに位置するアンティーブ岬にあるエデン・ロック(Hotel du Cap-Eden-Roc)140年の歴史を誇るホテルは日本の巨匠・黒澤明も常連だった。広い庭園と松林に囲まれた隠れ家は、ジョニー・デップやジョージ・クルーニー、クリント・イーストウッドトム・クルーズといった超大物たちに愛されている。

カンヌで監督デビューを飾る俳優たち カンヌの評価で全てが決まる!? 初監督作品をお披露目する俳優たち。

映画祭に先立ち、UCLAでイスラエル・スタディーズ賞授賞式にアモス・オズ(右)と出席したナタリー。Photo: Tsuni/Gamma-USA/AFLO

演じるだけではなく、監督業にも乗り出す俳優たちはデビュー作のお披露目にカンヌを選ぶことも多い。昨年、『ロスト・リバー』(5月30日より日本公開)を出品したライアン・ゴズリングに続いて、今年はナタリー・ポートマンが脚本・出演も兼ねた長編『A Tale of Love and Darkness』(原題)が特別上映される。イスラエルの作家、アモス・オズが2007年に発表した自伝の映画化で、ナタリーはオズの長女で歴史学者のファニアを演じている。
といっても、映画祭側や批評家たちは人気スターだからといって評価に容赦はない。ジョニー・デップが主演も兼ねた渾身の一作『ブレイブ』(97)は上映時にはスタンディングオベーションを受けた一方で酷評もされ、ついにアメリカでは劇場未公開。以来ジョニーは二度と長編を撮っていない。同じ1997年にゲイリー・オールドマンは『ニル・バイ・マウス』を出品、主演のキャシー・パークが女優賞を受賞した。2005年にはトミー・リー・ジョーンズが監督・主演した『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』は男優賞、脚本賞を受賞。
ナタリーの作品はコンペ外で授賞対象ではないが、カンヌの評判次第で今後の動向が決まることはまちがいなしだ。

映画祭事件簿 盗難事件から女優のスカートに潜り込む輩まで。例年何かしらのアクシデントが発生。

アメリカ・フェレーラの白いドレスの裾から男が引きずり出された瞬間。Photo: REUTERS/AFLO

華やかな映画祭では毎年のようにスケールの大きなアクシデントが起きる。昨年は3Dアニメ『ヒックとドラゴン2』公式上映時のレッド・カーペットで、アメリカ・フェレーラのドレスの中に男が頭を入れるというハプニングが発生。同作で声優を務めたアメリカがケイト・ブランシェットら共演者たちと写真撮影でポーズを決めていたところ、男が背後から近づいてドレスの裾に頭を潜り込ませた。すぐに警備員が取り押さえたが、アメリカは初カンヌの晴れ舞台で思わぬ災難! 動揺する彼女をケイトが必死で慰めていた。犯人はウクライナ人のリポーターで、セレブを標的とした悪ふざけの常習犯。様々なイベントに出没し、レオナルド・ディカプリオやマドンナ、ブラッド・ピット、ウィル・スミスらが被害に遭っている。
おフザケでは済まない大事件が発生したのは2013年。映画祭のために用意したショパールの宝石類が開催2日目の夜にホテルの部屋から盗まれたのだ。保管していた金庫ごと盗まれた。ショパールは映画祭の公式スポンサーで、最高賞パルム・ドールのトロフィーも制作しているが、当初140万ドル相当と報じられた被害額については「それよりずっと低い」とコメントを出した。この年はドゥ グリゾゴノのパーティでも展示していた260万ドル相当のネックレスが盗まれる事件が起きている。