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アラン・リックマン、『ハリー・ポッター』原作者から聞いたスネイプの秘密を拠り所にしていた。

『ハリー・ポッター』シリーズ全8作品でセブルス・スネイプを演じたアラン・リックマンは、原作者のJ・K・ローリングから最終巻が出版される7年前にある秘密を聞いていたという。
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』(2005)より。Photo: Warner Brothers/Everett Collection/amanaimages

『ハリー・ポッター』シリーズのセブルス・スネイプ役で知られるアラン・リックマン。惜しくも2016年1月にすい臓がんのため亡くなったが、彼が25年にわたって記していた日記が一冊の本にまとめられ、『Madly, Deeply: The Diaries of Alan Rickman(原題)』として10月に出版される。これに先駆け、「ガーディアン」紙にて本の一部が公開された。

その中で『ハリー・ポッター』シリーズについて初めて記述があったのは、2000年8月23日の日記。「午後6時半、暗くなる前に(レストランの)イル・カンポに到着するため、車に乗り込みシエナに向かう。パティオのバーに到着したのは8時頃。LAに電話し、HP(『ハリー・ポッター』)に出演すると告げる」

この後アランは、原作者のJ・K・ローリングに電話をかけ、当時彼女しか知りえない、スネイプの情報を聞き出すことに成功する。ローリングは、スネイプのバックグランドをナーバスな様子で語ったそうで、この日のことをアランは「彼女と話すことは、物語に投資している人間ではなく、物語の中の人物と話すことだ」と綴っている。しかし、スネイプの壮絶な役回りの原動力ともいえる、この秘密が彼の胸に本当に響いたのは、シリーズ最終の第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』を読了した日だったのかもしれない。

2007年に出版された最終巻を手にするために、一般客とともに深夜の書店に並んだというアランは、スネイプの最期を読み、こう記している。「2007年7月27日 『ハリー・ポッター』の最終巻を読み終えた。スネイプは英雄的に命を落とした。ポッターは自分の子どもたちに彼のことを最も勇気がある男だと説明し、息子をアルバス・セブルスと名付けた。これこそ、まさに通過儀礼だった。7年前にジョー・ローリング(J・K・ローリング)からもらった、スネイプは(ハリー・ポッターの母)リリーを愛していたという小さな情報の一片が、崖っぷちにしがみつくとっかかりをくれた」

Text: Tae Terai