担任教師VS生徒36人の、学校内で巻き起こる狂気と絶望のデスゲームを描いた映画『シグナル100』。“超問題作”に飛び込んだ小関裕太さんが胸の内を明かしてくれました。
ずっと苦しかったですね。次々と仲間が死んでいくから
「こういうテイストの作品が好きなんですよ」と、嬉しそうに語り始める小関裕太さん。爽やかな笑顔と、実際に挑んだ役柄のギャップがエグい……。なにしろその出演映画『シグナル100』は、クラスメイトが突如として催眠暗示をかけられ、次々と自殺していくという絶望的な物語だ。
「ちょっとした行動(シグナル)が引き金となって、強力な催眠が働いて自殺したくなってしまう。しかも催眠を解く方法は、クラスメイトの死のみ。極限状態の中で仲間と助け合うのか、自分だけ生き残ろうとするのか。人間の本質が試されていくような展開がすごく面白くて、この作品に関われることが純粋に嬉しかったです」
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残酷な世界を疑似体験することが、俳優として、人間としての成長につながる。大きなやりがいを感じながら挑んだものの、撮影期間中はかつてないレベルのストレスと向き合うことになったという。
「自殺を誘発するシグナルの数や内容が分かっていない混乱した状況で、クラスメイトが目の前で死んでいくのは辛かったですね。最初は36人もいたのに、キャストの控え室に空席が目立つようになって、自分が本当に劇中の設定を体験しているような感覚になりました。
みなさんも劇場で僕と同じ感覚になって、『自分だったらどうするか?』と考えるはず。そして必ず、生きていることのありがたみを再確認できるのではないかと。ただの水が、すごく美味しく感じるようになったりして。そんなパワーがある映画だと思います」
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悲痛な表情を浮かべる小関さんをスクリーン越しに眺めるだけで、胸の痛みが伝わってくる。お芝居を通して大勢に催眠をかけるのが俳優の仕事なのかもしれない。
「日常生活でも、相手のちょっとした仕草で本能が揺さぶられることってありますよね。シグナルならぬ、“シグサル”ですね。僕の場合は、たまたま目があった女性にニコッとされたら、すごく気になってしまうと思います。『なんで笑ったの? 好意を持たれているのかな?』とか考えているうちに、その人のことが頭から離れなくなってしまいそう。刹那の瞬間に微笑むのは高等技術かもしれないけど、それが自然にできる女子はモテると思います(笑)」
『シグナル100』
25万部以上を売り上げた同名ベストセラーコミックを橋本環奈主演で実写映画化! 突如として自殺暗示催眠をかけられた36人の高校生たち。自殺催眠発動のシグナルは全部で100。死の暗示を解く方法はクラスメイトの死のみ……。結末は原作とは異なるオリジナルで、想像を絶する展開が待ちうける。©2020「シグナル100」製作委員会
Photos:Kenta Karima Styling:Masaaki Ida Hair&Make-up:MIZUHO(vitamins) Text: Satoshi Asahara