徳島県出身のシンガー・ソングライター米津玄師さんが9日、ファッションブランド「LOEWE(ロエベ)」の日本展開50周年を記念して全面拡張リニューアルされた旗艦店「カサロエベ表参道」(東京都港区)を訪れた。米津さんは、8月にモデルを務めたメンズキャンペーンでも着用したFW23(秋冬2023)メンズコレクションのピクセルのデニムセットアップに身を包んで店内を巡り、カサロエベ表参道やFW23メンズキャンペーンについて語った。

カサロエベ表参道を訪れた米津玄師さん=東京都内

 ―新しいカサロエベ表参道の印象をお聞かせください。

 ひとえに素晴らしいなと。ジョナサン(・アンダーソン)=ロエベのクリエーティブディレクター=が個人的に集めた美術作品からは意志を感じます。「casa(カサ)」は家という意味なんですよね? アート作品などもたくさんあり、その意味で美術館のようでありながらも、安心できる感じというか、落ち着くような部分もあって。すごくいいバランスで成り立っているという感じがします。

 ―今年8月にロエベのキャンペーンに出演した時のエピソードや感想をお聞かせください。

 自分が子供の頃から好きだったものなどで満たした空間という撮影コンセプトだったのですが、改めてそういう空間で写真を撮ってもらうということが、自分にとってすごく新鮮だったし、意外とないよなと。こういう仕事をしていると、撮られることなども多々ありますが、このような世界的なブランドの一端を担えて、それが自分のプライベートな空間であるというのはすごくありがたいこと、光栄なことだと感じました。カメラマンのアルノー(・ラジュニ)も、言語はわからないですけれど、熱意のある人だと思ったし、出来上がった写真を見て、とても感銘を受けました。

 ―ロエベと米津さんをつなぐもう一つの要素として、スタジオジブリがあるかと思います。「巡りあわせ」に関して思っていることをお願いします。

 ほとんど巡り合わせの力でここまで来たなという気分です。いろいろな大変なこととか、努力するようなこともあったと思うけれども、そのほとんどがあらゆる巡り合わせで成立しているのではないかと、そういう風に思うことがよくあります。いろんな人に巡り合って、出会って、別れることもあるけれども、そういう連続の末に今の自分があるのだとすれば、まあ、こんな上等な人生ないだろうなと、そういう風に思うことが今できているので、すごく幸せなことだと思います。