「東京電力旧経営陣の財産差し押さえを」株主が仮執行要請 原発事故巡り計13兆円の賠償判決受け

2022年7月22日 18時38分
7月13日、東京電力福島第一原発事故を巡る株主代表訴訟の東京地裁判決を喜ぶ原告側関係者=東京・霞が関で

7月13日、東京電力福島第一原発事故を巡る株主代表訴訟の東京地裁判決を喜ぶ原告側関係者=東京・霞が関で

 東京電力福島第一原発事故を巡る株主代表訴訟で、東電の勝俣恒久元会長(82)ら旧経営陣4人に計13兆3210億円の東電への賠償を命じた東京地裁判決を受け、原告の株主側が22日、東電に対し、支払いの仮執行を行い4人の財産を差し押さえることを求める要請書を郵送した。
 今月13日の判決は、勝俣元会長、清水正孝元社長、武黒一郎、武藤栄両元副社長の4人が津波を予見できたのに対策を怠ったとして賠償責任を認め、判決確定前でも支払いを強制できる仮執行宣言を付けた。
 これを受け株主側は東電に、早急に強制執行の手続きに入るよう要請。4人が控訴した場合は、被告側ではなく株主側に補助参加することも求めた。
 原告弁護団共同代表の河合弘之弁護士は「東電が本当に事故からの再建を図りたいなら、旧経営陣を擁護するのではなく判決に従って仮執行をし、反省の態度を示すべきだ」と述べた。
 東電以外の原発事業者の代表取締役に対しても、判決に基づき「事故が起きれば取締役個人が天文学的金額の賠償責任を負うことになる」と警告し、原発再稼働の中止を訴えていくという。
 東電は「要望書の内容を検討のうえ、会社として適切に対応する」とコメントした。(小沢慧一)

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