<こう読む!経済データ>米国の動きで円安が進行 円相場、目まぐるしい変動の背景は

2022年6月2日 21時02分
 5月の連休明けに1ドル=131円台まで進んだ円安ドル高。その後は1ドル=127円前後で推移していましたが、2日は一時、1ドル=130円台まで円安が進行。目まぐるしい動きの背景に何があるのでしょうか。

 最近の物価高を抑え込もうと、米国は利上げに動きました。一方、景気回復が遅れる日本は低金利政策を続行。その結果、金利が高く運用に有利なドルが買われ、円安が進みました。
 ところが5月中旬以降、米国で景気後退懸念が台頭。一時3%を超えた長期金利の上昇に歯止めがかかり、円安の進行が鈍化。6月に入ると長期金利は再び上昇傾向となり、またも円安が進み始めました。
 本紙は朝刊紙面でドルなど24カ国・地域の通貨と円との「交換レート」を掲載しています。このデータを継続的にみていくと、英国やニュージーランドの通貨も、円に対する上昇度が5月中旬ごろに、いったん落ち着いていたことが分かります。
 両国も米国と同様、利上げを実施。ただ、しばらくすると景気悪化が懸念されて通貨の上昇度が鈍化しました。円相場は各国の長期金利の動向や景気見通しなどの影響を受け、変動しています。(池井戸聰)

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