衆院選の攻防ラインは? 「与党で過半数」72議席減でもクリア

2021年10月27日 06時00分
 31日投開票の衆院選で、岸田文雄首相(自民党総裁)は、政権維持に最低限必要な「与党で過半数」獲得を勝敗ラインに掲げている。選挙後の政権運営で重要となる議席数の攻防ラインをまとめた。
 衆院の定数は2017年の前回衆院選から465で過半数には233議席が必要。自民、公明両党は計72議席減らしても過半数はクリアできるため、低めのハードルで予防線を張ったとの見方も強い。

◆自民単独の過半数は44議席減で割り込む

 次に注目されるのは、自民が単独で過半数に達するかどうかだ。仮に自民が44議席以上減らすと半数を割ってしまう。公明の議席を加えた過半数で自公連立政権を維持したとしても、22年夏の参院選に向けて、首相の求心力に影響が出かねない。
 野党第1党の立憲民主党は明確な勝敗ラインを設定していない。枝野幸男代表は「全員当選を目指す」との立場だが、政権交代を単独で実現するためには公示前の倍増以上が必要。240人を擁立したものの、ハードルは高い。
 立民は共産、国民民主、れいわ新選組、社民の4党と調整し、213の小選挙区で候補者を一本化。全小選挙区の半数で与党側候補と一騎打ちの構図となっている。こうした選挙区での勝敗が全体の選挙結果を左右しそうだ。 

◆310議席で改憲の国会発議が可能に

 ほかには、定数の3分の2に当たる310議席以上を得れば、改憲の国会発議や、法案が参院で否決された場合に衆院での再議決が可能になる。与党が主導的に国会運営を進められるかどうかの目安として、安定多数(244議席)と絶対安定多数(261議席)がある。(木谷孝洋)

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