「安倍政権と政局の行方」 毎日新聞社前主筆、TBS「NEWS23」アンカー 岸井成格氏

 第121回しもつけ21フォーラム6月例会(下野新聞社主催)は13日、宇都宮市の宇都宮東武ホテルグランデで開かれ、毎日新聞社前主筆でTBS「NEWS23」アンカーの岸井成格(きしいしげただ)氏が「安倍政権と政局の行方」と題して講演した。

 7月の参院選について、報道各社の世論調査やこれまでの取材から「自民、公明両党で過半数は取る。衆参両院のねじれ現象は解消へ向かう」との見通しを示した。これを前提に安倍晋三(あべしんぞう)首相が「成長戦略実行国会」と位置づける秋の臨時国会が「安倍政権にとって正念場となる」と述べた。

 政党支持率で自民党が40%台後半なのに対し野党各党は一桁台。衆院選で躍進した日本維新の会が橋下徹(はしもととおる)共同代表の歴史認識をめぐる失言で急激に失速している。野党第1党の民主党も低迷。岸井氏は「すさまじい状況。野党がいない」と表現し「このままでは反自民の受け皿がなく、投票率はかなり低くなる」と警鐘を鳴らした。

 安倍首相に直接取材したエピソードとして「憲法改正と歴史認識は予想以上に慎重だった」と印象を述べた。失言で「火だるま」となった橋下氏を反面教師に、言動の修正を図っているとの見方を示した。

 岸井氏は慶応大法学部卒。毎日新聞社で政治部長、論説委員長、主筆などを歴任。現在、同社特別編集委員として、テレビ番組でアンカーやコメンテーターを務めている。