シンポジウムとは?意味やフォーラムとの違い、開催方法を事例で解説

シンポジウムというと、少し前は大学や新聞社が主催するイメージでした。
しかし最近は、企業がマーケティング活動の一環として開催する例が増えています。

今回は、シンポジウムとはどのような形式のイベントか、企業がシンポジウムを開催するメリット・デメリットなどを解説し、事例もご紹介していきます。

シンポジウムとは何か

シンポジウムとは会議形式のイベントです。まずはじめにシンポジウムとは何か、企業がシンポジウムを開催するメリットやデメリットを確認します。

シンポジウムとは?

英語のsymposiumの和訳は「公開討論会」です。

シンポジウムは日本語としても定着していますが、意味は英語とほぼ同じで、多くの人が視聴する場で行われる討論会のことです。討論会にもいくつかのパターンがありますが、形式としては、

  • あるテーマについて一人が話す講演会、セミナー
  • 数名がパネラーとしてステージ上で討論を行うパネルディスカッション
  • ゲストがインタビューを受ける対話形式
  • 講演者やパネラーと一般参加者との質疑応答

などがあり、ひとつのシンポジウムのなかでこれらを組み合わせたプログラムが組まれます。

シンポジウムでは特定のテーマや課題を設定して、それについてよく知る専門家と興味・関心を持つ人が集まります。各種のセッションにより課題の解決策を出し合ったり、最新の知識を共有したりします。
シンポジウムでは専門的・学術的なテーマを取り扱うことが多く、大学や自治体などが主催者となって開催されることが多いですが、近年は企業が実施することも増えています。

以上がシンポジウムの一般的な姿ですが、明確な定義があるわけではありません。
実際の内容はシンポジウム主催者が決めるもので、グループに分かれての座談会や飲食を伴う交流会などが含まれるものもありますし、設定されるテーマが必ずしも専門的・学術的ではない場合もあります。

カンファレンス、フォーラムとの違いと共通点

シンポジウム以外に会議イベントを表す言葉として、以下があり、少しずつ違いがあります。

カンファレンス(conference)
カンファレンスとは、やや規模が大きな会議・討論会のことです。「医療カンファレンス」のように特定の会議を指す場合もありますが、企業が主催するビジネスカンファレンスは一般の参加者を集めて行われ、シンポジウムに近い形式です。シンポジウムが専門的・学術的なテーマを扱うことが多いのと比較して、カンファレンスのテーマはビジネス関連が多いですが、明確な区別はありません。

フォーラム(forum)
英語のforumは「公開で行われる会議」という意味なので、これもシンポジウムと近いです。フォーラムは1つのテーマについて討論する場であるのに対して、シンポジウムは複数の視点から意見を出し合う、という違いが定義されている場合もありますが、開催されている事例を比較すると両者の差異が明確にあるわけではないようです。

シンポジウム、カンファレンス、フォーラムという言葉を各種の会議イベントで見かけますが、そこに明確な区別はありません。
いずれも、「特定のテーマについて専門家と一般参加者が集まり、討論や情報共有をする場」ということでは共通しているといえます。そして、企業がマーケティング施策のひとつとして実施するイベントの名称として、テーマやターゲットに合うものを主催者が選んで使用しています。

シンポジウムのメリット・デメリット

企業がシンポジウムを開催するメリットとして、以下があります。

《シンポジウムを開催するメリット》

潜在顧客を獲得できる
自社の商品やサービスのターゲット層が関心を持ちそうなテーマ、コンテンツを提供することで、通常のマーケティング活動ではリーチしづらい潜在顧客を獲得できます。将来的に商品・サービスを購入する可能性がある見込み客を広く集客できます。

ブランディング効果がある
業界の課題解決に積極的な企業であると印象づけることができ、企業ブランディングに効果があります。また、企業名や商品・サービス名の認知度アップにも役立ちます。シンポジウムが興味深いテーマであればSNSやメディアで取り上げられる可能性もあり、企業名を広める手段としてはTVCMなどより低コストといえます。

社員のモチベーションアップ
イベントを開催するためには社員の協力が必要不可欠です。日常とは違うイベントの準備で多くの社員が協同することで、モチベーションアップ、従業員エンゲージメント向上に有効です。

ノウハウやネットワークの蓄積
企業自身や業界が抱える課題について、専門家を交えて解決策を話し合い、知識を深めることができます。専門家とのネットワークを拡大する効果もあります。

コンテンツの活用
シンポジウムの講演録や議事録は、企業のオウンドメディア、メールマガジンなどのコンテンツとして活用できます。

一方、デメリットとしては以下があります。

《シンポジウムのデメリット》

売上に直結しない
シンポジウムで多くの参加者を集客しても、情報収集をしている段階のかたも多いので、企業の売上に結びつくまでに時間を要する場合があります。

コストがかかる
会場費のほか、広告費、講師謝礼などの経費がかかります。

リソースが必要
通常業務以外の仕事が増えるので、開催当日だけではなく企画の段階から社員に負担がかかります。

シンポジウムを開催するときは上記のようなメリットとデメリットがあることをふまえ、目的を明確にすること、無理のない予算やスケジュールの計画を立てることが大事です。

企業が開催するシンポジウムの事例

企業がシンポジウムを開催する事例のいくつかを紹介します。

ぴあ総研シンポジウム「文化芸術・集客エンタメは、人々と社会をどう豊かにできるのか」(2023年5月)
https://corporate.pia.jp/news/detail_piasoken_symposium20230414.html
基調講演とパネスディスカッションという基本的な構成で、一般参加者300名ほどで開催されました 。

クエストグループISシンポジウム(2023年2月)
https://www.quest.co.jp/docs/what_new20230407_01.pdf
基調講演、社長講演、グループ社員による発表の3部構成。こちらは社内向けイベントです。

日立ITユーザ会 2023北海道シンポジウム(2023年10月 )
https://www.it-user.hitachi.co.jp/HTML/symposium/symposium2023/pdf/gaiyo.pdf
2日間開催。1日目は講演、論文発表、交流会。2日目は親睦を深める開催地観光という構成で、ユーザ同士の交流の機会になっているようです。

シンポジウム開催の手順

シンポジウムを開催するための手順を解説します。

開催と目的の決定

前述したように、シンポジウム形式とは特定のテーマを設定して、討論や講演会などで知見を深める機会です。BtoBのイベントとして企画する場合は、
・自社の顧客にとって興味・関心があるテーマは何か
・テーマを取り扱う形式としてシンポジウムが適当か
を検討して、開催の目的を明確に設定します。

開催概要の決定

どのようなシンポジウムにするか、概要を決定します。最初に決定することは以下です。

  • 日時
  • 開催の形式(リアル・オンライン)
  • 会場
  • メインとなる講演者
  • 開催規模(定員)
  • 予算

リアル開催の場合、参加者人数・予算・希望の開催日時といった複数の条件を満たす会場を確保することが重要です。同時に、シンポジウムの基調講演などで招く講演者のスケジュール確認も必要となります。
余裕をもって準備を進めるためには、半年前までに開催概要を決めましょう。

開催当日までの準備

シンポジウムの概要を決定してから開催当日までには、以下のような準備が必要です。

プログラムの確定
基調講演以外のプログラムを決めます。外部のゲストに依頼するほか、自社代表者の講演、自社スタッフによるセミナーなどを実施することもあります。内容が決まれば、各セッションのタイムスケジュールを確定させます。

告知
プログラムが確定したらランディングページを作成して公開し、必要に応じてDMや配布用チラシなども作成します。その後は集客のための各種告知や宣伝に力を入れます。以下のような施策があります。

  • Web広告
  • SNS
  • メール
  • DM
  • 経営陣や営業担当者による声掛け

詳細な集客の方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも参照してください。
参考:イベント集客のコツと方法を徹底解説。メール戦略で集客に成功した事例も紹介!

参加申込者に対しては、お礼メールや途中経過の告知、リマインドメールなどでシンポジウムの当日まで定期的にコミュニケーションをとります。

開催当日のための準備
当日必要となる機材、資料、備品などの手配、当日のスタッフのシフト、受付やアテンドのフローなどを作成します。会場での配信テスト、リハーサルも必要です。

シンポジウム当日と終了後

シンポジウムの当日は、開始時刻の直前に多くの人が訪れてもスムーズに案内できるよう、マニュアルを整備しておきます。トラブル発生などにも対応できるよう、十分な人員で体制を整えます。

シンポジウムの終了後には、参加者にお礼のメールを送り、その後もコミュニケーションを継続します。参加申込者で当日不参加だった人にはアーカイブ視聴などを案内します。事後フォローは素早く行うことがポイントです。

シンポジウムの効率的な運営・管理にMAが有効

企業がシンポジウムのようなイベントを開催するとき、通常業務に加えて多くのタスクが発生して、社員にとって負担になってしまうデメリットがあることはすでに述べました。負担が大きすぎると、シンポジウムのスムーズな運営が難しくなってしまいます。

シンポジウムを含む企業イベントの運営・管理を効率よく進めるには、イベント管理システムが有効です。

シャノンのMAはイベント管理に強みがあります。
リアル・オンラインの参加者を一元管理して、各種の案内メールを自動化。当日の受付業務では、受付をスピーディーにするとともに、終了後のお礼メール送信までを自動化できます。イベント運営・管理業務の全般を効率化することができます。

シャノンがサポートしたシンポジウム事例を紹介

シンポジウムは、オンラインでの開催も可能です。最近では、メタバース空間でのイベントを開催する企業も増えてきています。
最後に、シャノンの子会社であるZIKUのメタバースを活用してオンライン開催されたシンポジウムの事例をご紹介します。

イベントの概要

名称
メタバースを活用した企業DXシンポジウム

開催概要
日時:2022年12月15日 13:00~17:00
主催者:大阪府
参加費:無料

内容
中小企業のDX化をテーマに、マイクロソフト、サイボウズなどIT企業4社がセミナー登壇
企業ブースでは出展企業がDX人材の採用に向けた個別相談を受付

背景
大阪府はDX人材の育成やマッチングなどを支援する「オオサカDXメソッド」を展開しています。就職を目指す若者を対象としたDXトレーニング(にであうトレーニング)で育成した人材をはじめとするDX人材の採用促進を目的として、本シンポジウムが実施されました。

シンポジウムをメタバースで実施するメリット

リアル開催に制限がかかる場合、オンライン開催となりますが、メタバースを活用することにより、リアルイベントのような体験を一部提供することができ、参加者の満足度が上がります。

来場者はアバターで会場を自由に動き回り、興味・関心があるブースに立ち寄ってコミュニケーションをとり、欲しい情報を入手できます。
開催期間中はいつでも入退場ができるので、参加者は自分の都合に合わせてシンポジウムに参加することが可能ということもメリットです。

まとめ

本稿のポイントは以下です。

1.  シンポジウムは、一般参加者を交えて基調講演やパネルディスカッションなどを行う会議イベントです。企業がシンポジウムを開催する例が増えています。

2.  シンポジウムを開催するメリットとデメリットは以下です。
《開催のメリット》
・潜在顧客を獲得できる
・プランディング効果がある
・社員のモチベーションアップ
・ノウハウやネットワークの蓄積
・コンテンツの活用
《開催のデメリット》
・売上に直結しない
・コストがかかる
・リソースが必要

3. シンポジウムのような通常業務外の作業を効率化するために、MAのイベント管理システムが有効です。

最後に、シャノンのマーケティングオートメーションでは、データの一元管理による効率的なリード獲得とナーチャリングが可能です。以下にて豊富な機能をくわしくご紹介しております。
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