サッカー・アジア杯1次リーグD組(14日、日本4-2ベトナム、ドーハ)初戦の難しさはあるが、ベトナムの意表を突くプレーにまんまとやられた。失点はともにセットプレー。高さでは日本に分があるだけに、当然いろいろなアイデアを仕掛けてくる。1失点目はニアポストで簡単に合わせられた。100回練習して1回決まるか否かの〝まぐれ〟シュート。2点目もGK鈴木が弾いた球を狙われた。全員が警戒を怠り、ボールウオッチャーになっていた。他のライバル国にも日本の弱点を見せてしまった。
攻撃も相手の5バックに苦戦した。得点場面はいずれもよかったが、もう少し工夫があれば、これほど苦労しなくて済んだ。「パス、パス、パス」で安全にいこうとしていた。MF南野にはボールが入ったが、FW細谷にはほとんど回らず。存在感を示せなかった。
こうした相手には遠めからシュートを打ち、敵をおびき出すのが鉄則。あるいは誰かが「個」の力で崩しにいく。MF中村は外からのシュートでゴールをこじ開けたが、前半はそうしたシーンが見られなかった。
後半に「個」の技術が高いMF堂安、さらにMF久保が入って攻撃が流動的になった。もう少し早く久保が出ていたら、日本は楽に試合を進められたかもしれない。(サンケイスポーツ専属評論家)