南北首脳会談

韓国が夕食会のメニューを公開…冷麺を北から配達、金正恩氏の留学時代の味も

平壌の玉流館の冷麺(桜井紀雄撮影)
平壌の玉流館の冷麺(桜井紀雄撮影)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国大統領府は24日、27日に迫った南北首脳会談の夕食会に出されるメニューを発表した。平壌の有名店の冷麺を北朝鮮側からわざわざ配達するほか、金正恩朝鮮労働党委員長が留学したスイスの味も登場する。

 冷麺は「玉流館(オンリュグァン)の平壌冷麺がいい」との文在寅(ムン・ジェイン)大統領の提案でメニューに決まった。玉流館は金一家も利用する平壌の一流店で、同店の首席料理師が板門店(パンムンジェム)に派遣され、北朝鮮側施設に製麺機まで設置。できたての味を、夕食会を開く韓国側施設まで運び届ける。

 「民族の平和と統一のために尽くした方々の思いを込めた」(大統領府)として、前回2回の首脳会談を推進した金大中(キム・デュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)両元大統領の出身地の海産物や米を使った料理も出される。文氏の故郷の魚を食材にした一皿に加え、金正恩氏が子供時代に留学したスイスの伝統的なジャガイモ料理「レシュティ」をアレンジした料理も並ぶ。

 メニューに政治的メッセージを込めた形だが、昨年11月、トランプ米大統領をもてなす晩餐会では、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)の韓国名「独島(トクト)」を冠したエビ料理が出され、物議を醸した。

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