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六郷満山1300年「節目の年」振興に期待 「くにさき」日本遺産認定 地元「鬼信仰に評価」

 鬼は福をもたらすもの-。人と鬼が杯を重ねる風習が残るなど、神、仏、鬼が複雑に絡み合う独自の宗教文化が今に残る「くにさき」が24日、日本遺産に選ばれた。今年は、国東半島に点在する仏教寺院群「六郷満山」開山1300年という節目の年。地元からは、独特の文化が高く評価された喜びや地域振興に向けた期待の声が聞かれた。

 日本遺産は、地域の文化財や歴史的遺構にストーリー(物語性)を持たせることで観光振興などを目指す文化庁の事業。豊後高田市と国東市は「鬼が仏になった里『くにさき』」として、今年1月に共同申請していた。

 毎年2月に両市の寺で開催される火祭り「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」では、人と鬼が踊り、笑い、酒を酌み交わす。なぜなのか-。

 豊後高田市教育委員会によると、国東半島では古くから、鬼は法力を使って人から災厄を払うとされ、厚い信仰の対象だったという。鬼会の後、集落に繰り出した鬼たちは、家々で酒が出されるなど歓待されるのが習わし。市教委は「鬼は幸せを運んでくれる賓客です」と解説する。

 今年は神仏習合発祥の地ともされる「六郷満山」開山1300年。最大65カ所の寺院があったとされ、各寺では、祈願用にさまざまな鬼面が製作された。怒った顔に泣きそうな顔など多様で、人々から愛された人なつっこい鬼のイメージが浮かび上がる。

 豊後高田市の天念寺修正鬼会保存会の大塚敏幸副会長(57)は「今年は六郷満山1300年の大事な年。地域にとってありがたい。修正鬼会だけでなく、鬼を敬う国東半島の文化を若い人に知ってもらうきっかけにしたい」と意気込む。

 国東市の「国東半島峯道トレイルクラブ」の清成隆さん(54)は「年々コースを訪れる客は増え、ツアー客だけでも16年度は約2千人に上った。外国人の方にも『神仏習合』など難しい言葉を説明できるような取り組みをしていきたい」と次を見据えた。

=2018/05/25付 西日本新聞朝刊=

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