中東の「重要な小国」ヨルダンの歴史と現在
中東の過激派「イスラム国」に拘束されている後藤健二さんが解放されるかどうか、情勢は緊迫の度を増している。ヨルダン政府は後藤さんの解放を含めた交渉を急ぐ。ヨルダンは混迷する中東の「重要な小国」だ。
「人工国家」として誕生
ヨルダンは第一次大戦でのオスマン・トルコ崩壊に伴い誕生した"人工国家"だ。
フセイン前国王が自ら「小国」と呼んだヨルダンの国際政治の中での重要性を印象付けた。イスラエルとパレスチナ自治地域に隣接し、サウジアラビア、シリア、イラクというアラブの有力国家に挟まれた同国は、中東をめぐる主要国の駆け引きの中で生まれ、存続してきた。
重要な「小国」ヨルダン、現実路線で存在感維持(99年2月10日)中東の「親日」国家
「本当か!おめでとう」――。イラクでの邦人人質事件の解決を受け、日本政府の現地緊急対策本部のあるアンマンの市民も一様に歓喜の声を上げた。
安倍晋三首相は18日、ヨルダンのアブドラ国王と電話で協議した。
安倍晋三首相は18日、ヨルダンの首都アンマンの王宮府でアブドラ国王と会談し120億円の円借款を供与すると表明した。
「どのような結果になっても両国の友好関係に一切影響しないことを約束しよう」。安倍晋三首相はヨルダンのアブドラ国王との会談でこう呼びかけた。国王も笑顔で快諾したという。
3邦人無事解放 アンマン市民、一様に歓喜の声(04年4月16日)首相、ヨルダン国王と電話協議(14年12月18日)首相、ヨルダンに120億円の円借款 難民対策で財政支援(1月18日)日ヨルダン首脳、サッカー代表戦「どんな結果でも友好維持を」(1月18日)国境を接する「イスラム国」
イスラム国の西隣のシリアはアサド政権が国境地帯の「イスラム国」拠点を空爆。南隣のサウジアラビアはイラク国境に3万人の部隊を展開し、ヨルダンも国境で厳戒態勢を敷く。
米政府は米軍と複数の有志国が過激派「イスラム国」を標的にシリア領内で空爆を始めたと発表した。サウジアラビア、ヨルダン、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、カタールの中東5カ国が軍事作戦に参加した。
イスラム過激派、支配体制着々と(14年7月10日)米、シリア領で空爆 対「イスラム国」にサウジなど参加(14年9月24日)