米共和党、上院過半数へ綱渡り 政策実現に影響
【ワシントン=中村亮】米大統領選と同時に実施した連邦議会選では、共和党が上院で過半数の議席を維持できるか綱渡りの情勢が続く。上院には政府高官や条約の承認権限があり、次期政権の政策実現に大きな影響力を持つ。下院では民主党が過半数を維持するとの見方が広がっている。
上院(定数100)の現有議席は共和党が53、民主党が47(無所属含む)で、今回は35が改選になる。米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクス(RCP)の予測によると、非改選を含めて民主党が45、共和党が46を獲得する公算が大きく、残る9をめぐり激戦となっている。
各種世論調査では、共和党現職が激戦の東部メーンや西部コロラド、同アリゾナ各州で民主党候補にリードを許す。いずれもリベラル色が強まる州だ。メーン州の共和党現職、スーザン・コリンズ上院議員らはトランプ氏と距離をとって無党派層の取り込みを狙った。一方、民主党が議席を握る南部アラバマ州では共和党候補が優勢だ。
仮に民主党のバイデン政権が誕生しても、共和党が上院で過半数を維持すれば政策は円滑に実現しない公算が大きい。米国では議会が予算編成や立法の権限を握るため、政権は議会との政策調整が不可欠になる。
全議席が改選となる下院(定数435)では、民主党が209、共和党が182、接戦が44とRCPは予測する。民主党が過半数を維持する可能性が高いとの見方だ。下院には大統領を弾劾訴追する権限があり、予算編成にも影響力が大きい。
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