JR山陽本線、運転再開は11月 呉線・芸備線は越年
豪雨被害からの復旧、JR西日本が見通し
JR西日本は18日、西日本豪雨で被害を受けた山陽本線の運転再開は11月になるとの見通しなどを発表した。山陰本線は7月21日に再開する。伯備線も8月中旬には再開する見通し。中国地方を横断し、山陰と山陽を結ぶ鉄道が運転を再開することで復旧や復興が進む。呉線の全線開通は2018年1月、芸備線は運転再開まで1年以上かかる区間もある。
広島支社管内で被害を受けた約700カ所のうち110カ所で重大な被災となった。北野真支社長は「被害が広範囲で甚大だ。限られた戦力で全力を尽くす」と話した。
山陽本線は山口県内の運転再開も含めて11月に全線で運転を再開する。海田市―瀬野で8月中旬、瀬野―白市が10月中、白市―三原は11月中に運転を再開する。
芸備線は7月23日に広島―下深川、9月中に下深川―狩留家で運転を再開する。橋桁が流れるなどした狩留家―備後落合は運転再開まで最低でも1年以上かかるという。
呉線は海田市―坂で8月上旬に再開する。坂―広は11月中に再開する。利用の多い広島―呉間は7月17日から始めた「災害時緊急輸送バス」から、23日までには呉線の代行バスに変更する。広島県坂町の駅を経由し、呉線の定期券や回数券がなくてもきっぷの購入で乗車できるようにすることを検討している。
岡山支社管内では山陽本線や伯備線、津山線などで電気系や信号制御機器など施設系を含めて約400カ所が被災した。復旧作業が必要な箇所は18日時点で「残り100カ所を切っている」(有田泰弘支社長)。山陽本線は糸崎駅の車両基地が稼働し、三原駅から岡山方面へはほぼ平常通りの運転に戻る。
伯備線は運転見合わせが続く豪渓―上石見で19日から代行バスの運行を始める。備中高梁駅から総社駅への直行便を用意し、朝の時間帯に岡山駅や倉敷駅への直行便も走らせる。
年内の再開を目指す芸備線の新見―備後落合では23日から、姫新線の上月―新見、因美線の津山―智頭でも準備できれば代行バスを運行する。
山陰本線は21日に全線を再開する。18日からは因美線の一部再開もあり、鳥取と岡山、京阪神とを結ぶ特急「スーパーいなば」「スーパーはくと」が始発から運転を再開した。特急「やくも」も出雲市―米子で一部時間帯で運行を再開した。