「北朝鮮に接向き合い
拉致問題解決の決意」首相

史上初の米朝首脳会談を受けて、安倍総理大臣は、拉致被害者の家族らと面会し、「日本が北朝鮮に直接向き合い、拉致問題を解決していく決意だ」と述べ、拉致問題を解決するために、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長との首脳会談を模索していく考えを示しました。

シンガポールで行われた史上初めての米朝首脳会談で、トランプ大統領が拉致問題の解決の必要性をキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長に提起したことを受けて、安倍総理大臣は14日午後、総理大臣官邸で、北朝鮮による拉致被害者の家族会代表の飯塚繁雄さんや横田めぐみさんの母親の早紀江さんらと面会しました。

この中で安倍総理大臣は、「今回の米朝首脳会談では、まずは核の問題について、キム委員長が朝鮮半島の完全な非核化をトランプ大統領に明確に約束したという意味では大きいだろうと思う。米朝首脳会談が、北東アジアの平和と安定に向けた一歩であると感じている」と述べました。そのうえで、「米朝首脳会談を機会として捉え、あとはまさに日本の問題として日本が北朝鮮に直接向き合い、拉致問題を解決していく決意だ。もちろん日朝の首脳会談は、拉致問題が前進していくものにならなければならず、そうしたことも踏まえながら対応していきたい」と述べ、拉致問題を解決するために日朝首脳会談を模索していく考えを示しました。

これに対し飯塚氏は、「われわれとしては重要な会議の中で拉致問題が提起され、非常に喜ばしい気持ちを持っている。今後は、いかに確実に早く結果を出していくかという部分になると思うが、北朝鮮から『日本人拉致被害者を返す』という約束があったあとに訪朝して、詰めをしていただきたい」と述べました。

また横田さんは、「今までの長い年月を思いながら、大きな歴史的な動きだと実感している。みんなが無事に帰って来てくれれば、私たちは何も言うこともない。ただそれだけを願っている」と述べました。