選挙のたびに、知名度を生かして票を獲得するタレント議員。12日投開票の統一地方選前半戦では、元スポーツ選手の当選が目立った。選手からセンセイに転身しても活躍できるのか。
「ようやくフルマラソンのスタートに立てた。これからは県議として、一生懸命頑張りたい」
熊本県議選でトップ当選を果たした、元マラソンランナーでタレントの松野明美氏(46)はこう語った。
2010年に熊本市議に初当選し、2期を務めた。今回、県議への転身を目指し、無所属で立候補。子育て支援の充実や、県民の健康寿命アップを目指した「1人1スポーツ」運動を唱え、見事当選した。
松野氏は1988年のソウル五輪で1万メートルの代表選手となり、その後、マラソンに転向した。92年に当時の日本記録を上回るタイムをたたき出し、記者会見で「(バルセロナ)五輪に出たらメダルを取れる」「どうぞ選んでください」とアピールしたが、最後の3人目に選ばれたのは、銀メダルを獲得した有森裕子氏だった。
現役引退後は、指導者やタレントとして活動。バラエティー番組などでのハイテンションぶりで注目を集めた。
スポーツ界からは他にも、青森県議選で大相撲の元関脇、追風海(はやてうみ)の斉藤直飛人(なおひと)氏(39)が、昨年9月の補選に続いて再選を決めた。
さいたま市議選では、地元のJ1浦和レッズや日本代表でゴールキーパーを務めた、都築龍太氏(36)が初当選。
福井県議選では、世界ボクシング協会(WBA)元スーパーフライ級世界王者の清水智信氏(33)が、企業誘致による若者の雇用拡大、引退したスポーツ選手の農林水産業への就業支援などを公約に掲げ、初当選した。