清和政策研究会が入るビル=東京都千代田区

 自民党派閥の政治資金パーティー券問題で、安倍派(清和政策研究会)が最近の5年間で所属議員にキックバック(還流)した総額は、5億円ほどに上る可能性があることが12日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は派閥の事務方や受領したとされる議員側を捜査し、金額の算定を進める。いずれも政治資金収支報告書に記載されずに巨額の裏金になったとみられ、還流システムを運用していたとされる事務方の刑事責任が追及されるのは必至だ。

 関係者によると、安倍派では数十人が還流を受けていたとされる。高額だった大野泰正参院議員(岐阜選挙区)が5千万円超、池田佳隆衆院議員(比例東海)と谷川弥一衆院議員(長崎3区)の各議員側が4千万円超を受領していたとみられることも判明した。

 特捜部は、政治資金規正法違反(不記載など)の疑いで捜査しており、13日の国会閉会後、還流を受けたとされる議員側への捜査を本格化させる。既に安倍派の事務方や、受領側議員の秘書ら少なくとも10人以上を任意で事情聴取している。

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