歌手、俳優として活躍する小泉今日子さんは、読書家としても知られています。本に焦点を当てた音声配信サービス「ポッドキャスト」の番組を担当したことがあり、同番組と連動した書籍の第3弾「ホントのコイズミさん NARRATIVE(ナラティブ)」も2月に刊行しました。「本は宇宙船であり、タイムマシン」と考える小泉さんに、本の魅力や書店が持つ力などについて聞きました。(東京報道 中村公美)
こいずみ・きょうこ 神奈川県生まれ。1982年に「私の16才」で歌手デビュー。以降、歌手・俳優として舞台や映画、テレビなどで幅広く活躍する。2015年から「株式会社明後日」の代表を務め、プロデューサーとして舞台制作も手がける。文章力に定評があり、第33回講談社エッセイ賞を受賞した「黄色いマンション 黒い猫」(スイッチ・パブリッシング)、「小泉今日子書評集」(中央公論新社)など著書多数。
――本にまつわるポッドキャスト番組を始めたいきさつを教えてください。
「ポッドキャストの番組をやってみないかと、音楽配信大手スポティファイから打診されたのが、ちょうどコロナ禍のさなか。私も活動が制限される状況でしたし、多くの人が自分の時間を見つめ直した時期だったように思います。今まで当たり前のように繰り返していた日常の行動から解放された人も多かったのでは。私は本が好きですので、これを機に本を読む習慣が戻ってきた人がいるだろうと思ったこともあり、番組では本をテーマにしたいと考えました。それに最近は独立系の本屋さんが増えているような気がしていて、そこにはどんな面白い理由があるんだろうと気になっていました。そこで番組の1回目は東京の独立系書店の先駆けである中目黒の『COW BOOKS』の創設者・松浦弥太郎さんのもとを訪れたのです」
「ホントのコイズミさん」 小泉今日子さんが本に関わる人たちと語らいながら、新たな扉を開くヒントになる言葉を探していくポッドキャスト番組。「ホント」は「本当」と「本と」をかけた。2021年4月から2023年9月まで120回放送された。書店の代表や作家、俳優、翻訳家など幅広いゲスト75人が登場し、22の書店を訪問した。番組は終了したが、120回すべてを聞くことができる(https://open.spotify.com/show/1DwTm7vb6AFLcKQuSCLWuB)
――番組では作家の吉本ばななさん、川上未映子さん、歌人の穂村弘さん(札幌市出身)ら多くの文学者が登場しました。さらに演出家、俳優と本当に幅広いゲストが参加しています。人選はどうしていたのですか。
このあと、書店の良さや、本を読む喜びなどを語っています
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