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給水ポンプとは?加圧・揚水ポンプの仕組みと種類

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2023年05月10日

マンションや商業施設で使われる給水ポンプにはどのような用途があるのでしょうか。
これから大規模な建築をする方は、給水ポンプについて理解しておく必要があります。

またマンションなどを相続した方も、給水ポンプのメンテナンスや交換時期を考慮しておかないと、入居者に迷惑をかけることにもつながりかねません。
そこで本記事では給水ポンプの概要とメリット・デメリット、寿命について紹介します。
給水ポンプの設置や交換を検討している方はぜひ参考にしてください。

給水ポンプとは?加圧・揚水ポンプの仕組みと種類

給水ポンプとは何か?

給水ポンプとは水を最上階まで押し上げるためのものです。
水道は全て道路に埋設されています。
しかし高層階のマンションの部屋に水を引き込むためには相当な水圧が必要となるため受水槽を経由して給水ポンプを使用し水を供給しています。

戸建て住宅や低層の建物であれば、水道本管から引き込む工事で給水することが可能です。
一方高い建物や蛇口の数が多い場所は、相当の水量と水圧が必要となります。
そのため給水ポンプはマンション以外にも商業施設や工場などで使用されています。
高層階の建物や水量が多く必要となる建物に用いられると認識しておきましょう。

給水ポンプの種類とメリット・デメリット

給水ポンプは「直結給水方式」と「受水槽式給水方式」の2種類に分かれます。
直結給水方式は受水槽を使わない給水方法で、戸建て住宅や2階建て賃貸アパートなどに用いられます。

一方受水槽式給水方式は1階部分に設置した受水槽に水を貯め、給水ポンプを経由して水を供給します。
ビルやマンションなどで最も用いられることが多いです。それぞれの違いは、水圧が足りる階数であるかです。
高層階などでは受水槽がなければ水を供給することはできません。

さらに受水槽がある方がコストは割高となります。
さらに給水ポンプは4つの種類に分かれます。
それぞれの仕組みとメリット・デメリットについて紹介します。

揚水ポンプ(高架水槽給水方式)

水道管から受水槽に水を貯め、揚水ポンプで屋上にある受水槽(高架水槽)に水を供給する方法です。
水量が一定量になると自動でスイッチが入るため、無駄な電気代がかからないというメリットがあります。

さらに断水が発生しても一階に設置した受水槽に水が確保できているため、長期間水が使えなくなるというリスクは少ないです。
一方屋上に受水槽を設置するため、外観の見栄えは低下します。
さらに受水槽は定期的なメンテナンスが必要となるデメリットが挙げられます。

加圧ポンプ(加圧給水方式)

加圧ポンプとは受水槽から各戸へ水を供給する方法です。
屋上に高架水槽を取り付ける必要がないため、設置費用を抑えることができ、さらにメンテナンスする費用を抑えることができます。
一方で電気代が割高となるデメリットがあります。

増圧ポンプ(直結増圧給水方式)

増圧ポンプは受水槽を使わず、水道本管から引き込み増圧して各戸に水を供給する方法です。近年ではマンションやビルに取り入れられています。
受水槽や高架水槽の設置が不要なため、建物の見栄えに影響しないメリットがあります。

さらにメンテナンスが不要なうえ、水道圧力を利用することから電気代の削減にもつながります。
一方で災害などによって断水してしまった場合は、全く機能しません。
また条例などによって取付できない地域もあるため注意してください。

揚水ポンプから加圧ポンプ(加圧切替方式)

高架水槽などが交渉した場合、揚水ポンプから加圧ポンプに変更することが可能です。
高架水槽が不要となるため、メンテナンスが不要となるメリットがあります。

また高架水槽を撤去すれば、建物の見栄えが向上します。
一方で加圧ポンプになるということは、月々の電気代が高くなるケースも多い点がデメリットでもあります。

給水ポンプの寿命

給水ポンプの寿命はおおよそ10年〜15年とされています。
もちろんポンプの状況や外的要因によって異なるため、一概にはいえません。
また使用する給水ポンプによってメンテナンス回数も異なります。

さらに電気料金にも違いがあるため、トータルの費用を考慮して設置することが望ましいでしょう。
加圧ポンプは常に稼働しているため、電気代だけでなく故障リスクも高まります。
そのため高架水槽がなくても設備のメンテナンスを行い、長持ちさせるようにしましょう。

まとめ

マンションや商業施設には必ずと言っていいほど設置される給水ポンプ。
給水ポンプにはさまざまな種類があり、どれもメリット・デメリットがあります。
また条例上設置できないものもあるため、事前に専門業者に確認してから設置を検討することをおすすめします。

とはいえ設置費用だけに注目するのではなく、月々の電気代やメンテナンス費用も考慮し、トータルの費用で判断することが望ましいです。
もちろん見栄えなども考慮して適切な給水ポンプを選びましょう。