ジョルジオ アルマーニのメイド トゥ メジャー(MTM)にて、完全に自分好みのスーツを仕立てた松重豊をフォトシューティング。TVや映画で彼のスーツ姿はよく見てきたはずだが、改めて、色気とムードをまとった男であることに気づかされた。後編の今回は、「このスーツは休日の外出にも袖を通したくなる」という松重の言葉を受けて、オフを意識したスタイリングを2パターンご紹介。ジョルジオ アルマーニのMTMスーツがいかに自由に着こなせるか、ぜひ確認していただきたい。
スーツにハイゲージのタートルネックを合わせるのは洒落者の常套テクニック。仕立てたスーツの、限りなく黒に近いブルーに合わせて、松重は黒のカシミアタートルを選んだ。遠目にはワントーンに見え、とてもシックな雰囲気だ。
「こうしたシンプルな着こなしは好きです。すぐにでも真似したいくらい。それにしてもこのスーツ、こういうニットとの合わせがとてもしっくりきますね。柔らかい生地や軽い仕立てのせいでしょうか」
たしかに、硬い生地を用いたカッチリと仕立てたスーツだと、こうした洒脱なムードは出せないだろう。足元を白のスニーカーにしたこともあり、“ちょっとそこまで”のお出かけにも向く軽快さを醸している。ちなみに、丸型フレームのメガネは、このコーディネートに合わせて松重自身が選んだもの。大人の茶目っ気を感じるチョイスだ。
このスーツにタートルが似合うのは、両腰と胸のポケットをパッチポケットのデザインにしていることも大きい。前編でも説明したとおり、こうした3パッチのデザインは珍しく、スーツを堅苦しく見せないポイントになっている。オーダーならではのアレンジだ。
「その日の気分によって、いろんな着こなしが楽しめるスーツだなと改めて感心しています。人間、誰しも気分の波はあるもので、今日はカチッと行きたいという日もあれば、リラックスしたい日もある。1着のスーツがそのすべての気持ちに応えてくれるというのは本当にありがたい」
オンスタイルのときは立ち姿や座り姿を多く撮影したが、今回はカメラマンのオーダーで、動きのあるポーズを多く取ってもらった。軽くステップを踏んだり、その場でくるりとターンしたり……。細身で手足が長い松重ゆえ、ポーズのひとつひとつが絵になる。
「一時期、スーツをカッコよく着たいと思って上半身を鍛えたことがあります。でもこの歳でムキムキなのはどうなのかなと思いまして……。年齢にあらがって無理して鍛えるよりも、普通に生きている細くて長いおじさん、いや、おじいさんでいいんじゃないかと。もはや達観の境地です(笑)」
そんな冗談ともつかないコメントも、松重をさらに飄々と、魅力的に見せる。こんなカッコいいおじいさん、普通にいるわけがないじゃないか。
松重がジョルジオ アルマーニのMTMで仕立てたスーツは、上下それぞれを単品使いできる。そこで、続いてのコーディネートではジャケットのみを使用し、ボトムスにはベルベット素材のイージーパンツを合わせた。なかにバテック柄の少々派手目なシャツを挟んだことによって、一気に遊び着にふさわしいスタイルとなった。
「スタイリストさんに乗せられてこんな着こなしをしましたが、自宅だったら妻に“これで大丈夫か?”と何度も確認してしまいそうです(笑)。でもこのスーツは、たしかにこういう遊んだ着方もアリなんでしょうね。本人としては、かなり冒険している気分です」
「自分では絶対考えつかない着こなし」と語っていた松重だが、カメラの前の佇まいはとても自然で、肩の力が抜けていた。こんな装いでふらりと夜のバーに現れたら、相当カッコいいだろうなと感じる。
「たんに、カメラの前でブラブラしていただけなんですけどね。我々役者は、余計なことをせず、ただそこに居る、という訓練をずっと積んでいます。もしなんとなく様になっていたとしたら、それが効いているのかもしれません。それと、だんだんこの着こなしが気に入ってきたのも大きい(笑)」
じつは今回の撮影では、あえて笑顔を求めなかった。この手のファッション撮影では当たり前のことだが、松重には新鮮だったらしい。
「ボクらの仕事って、写真撮影のときには、たいてい笑顔を求められるんです。映画や番組のプロモーションだと、1日中笑っていなければならなくて、辛いんですよ。役者だから求められればやりますが、何も面白いことがないのに笑うのはなかなか大変で。今日はそれがなくて本当に楽でした」
今回、ジョルジオ アルマーニで仕立てたスーツについて、松重は、撮影中に何度も「着ていることを意識させないのがいい」と語った。それは、自分が目指す芝居に近しいものを感じての言葉だったようだ。
「生地、仕立て、デザインと、すべてが最高級のスーツなのに、本人はことさら意識することなく、自然に着ることができる。でも見る人が見れば、やっぱりアルマーニは違うなと感心してくれるんですよね。ボクらが目指すべき芝居も結局はこういうことなんですよ。観ていただく人に、少しでも演技していると思われたら、その人はいい役者じゃない。究極は、何も作為を感じさせない自然体の演技。今日はそんなことをツラツラ考えながら撮影に臨んでいました。1着のスーツでこんなにいろんなことを考えさせるなんて、アルマーニはやっぱりすごいですね」
松重豊
まつしげ・ゆたか
1963年生まれ。福岡県出身。ニナガワスタジオを経て、舞台、
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