夏です、ゴキブリが活発に活動する季節がやってきました。
私はゴキブリを怖がらない両親の元に生まれたので、その影響かゴキブリが嫌いじゃありません。むしろ観察するタイプ。でも、ちょっと前まで住んでいたマレーシアではゴキブリに悩まされていました。殺しても殺しても出てくるし罠も毒もまったく効かない。いつのまにか卵を産んで増えていく…。結局私の負け試合だったわけですが、今でもあの不毛な戦いを思い出して最善の策はなんだったのか悩むことがあります。
そんな中、米Gizmodoが最適(&最悪)なゴキ退治メソッドを取り上げました。海の向こうのみんなは、どんな風にゴキと戦っているのでしょうか。ニューヨーク在住の人たちの声をおききください。
編注:特殊な駆除方法も紹介しておりますが、効果は保証しかねます。「そういう方法を選ぶ人もいる」という意外性をお楽しみいただければと思います!
ヤモリを放し飼いにしたり叩き潰したり
ジェシカ・ボディ記者:ニューバランスのスニーカーで叩き潰す
Eartherのブライアン・カーン記者:靴で叩き潰す、もしくは掃除機で吸い込む(吸い込むと満足度は高い)
Eartherのエミリー・リップスタイン記者:繰り返し使えるバッグにナショナル・ジオグラフィックの雑誌を詰め込んでゴキめがけて高い所から落とす。失敗することもあるが高確率で成功
Eartherのパオラ・ロサ・アクイーノ記者:捕まえて外に逃す
米Gizmodoのアレックス・クランツ記者:罠にかけて放置
米Gizmodoのアンドリュー・カウツ記者:バルサン、罠、殺虫剤を試したのち、ネットでヤモリを6匹購入。ゴキを食べてくれることを期待してヤモリを放流。6匹のうち1匹は電子レンジの下を寝床にしているが、5匹は行方不明。ただヤモリを放流してから6年、ゴキブリを見かけたことはないらしい。
ヤモリの効き目は抜群みたいですね。フロリダ大学の昆虫学者であるフィリップ・コーラーさんは、バナナに紛れていることがある「バナナ・スパイダー」を部屋に放してゴキブリを食べてもらう人の話を聞いたことがあるそうです。
熱湯をかけるのもゴキ退治には効果的だそうですが、家電を壊すリスクが高いのでオススメではないようです。「恐怖を感じると普段ならやらないような馬鹿げたことをするものです。クモを放したり、ゴキブリが隠れている家電の下に熱湯をまいてみたり。そういうことをするのはゴキブリ退治のもっとも効果的な方法を知らない人です」とコーラーさん。
撒き餌でデス・トラップ
New Jersey Pest Management Associationのエグゼクティブ・ディレクターであるレン・ダグレンさん曰く、ゴキブリを撃退するのにもっとも効果的なのはベイト型トラップ(編注:日本だと「ベイト剤」と呼ばれることが多いです)だそうです。日本でおなじみの、毒エサを食べたゴキブリが巣に戻り、そこで糞をしたり嘔吐したりして、毒入りの糞ないし吐瀉物を食べた他のゴキブリも死ぬ、という生きるデス・トラップ式のアレです(編注:要は毒の入った撒き餌ですね)。巣だけでなく、周辺の害虫も殺せるので理想的なんだとか。
しかし、ゴキブリが毒に対して耐性を持ったり、食べ物の好みで特定のベイトを食べなくなる可能性があるので永続的に使える退治方とは言えない、とノース・カロライナ州立大学の昆虫学者コビー・シャルさんはいいます。そこで提案しているのが、定期的に味の違うベイトに交換すること。こうすることで満遍なくゴキブリを退治できるだろうとのこと。
粘着性の罠も効果的
また、シャルさんは毒トラップと並行して粘着性の罠(編注:日本ではアース製薬の「ごきぶりホイホイ」が代表的)を使うことを推奨しています。ただ、同梱のホイホイ餌だけではなく、ピーナッツバターを仕込むとより効果的なんだそうです。
「ゴキブリはピーナツバターが大好物なんです。私は常日頃からスプレーは使わない方がいいといっています。それだと追い払っているだけで、奴らは戻ってきます」
踏み潰すという手も
さらに、これはハードルが高いかもしれませんが、デカくて飛ぶゴキには足で踏み潰すのが良いみたい。グチャッとなる感触が決して心地よくありませんが、やっぱりこれが確実のようです。
まとめ:Gに関する怪しい知識をちょっと訂正しつつ
ちなみに上で書いたように私はゴキブリが怖くありません。むしろ「ゴキブリだって生きているんだから殺さなくても」という博愛主義者でした。私がゴキを殺すようになったのはまだ赤ちゃんだった息子を守りたかったから。というのも、ゴキは私たち人間が寝ている間に寄ってきて、肌を食べたり耳の中に入り込んだりしているんだそうです。それにゴキブリが原因のアレルギーなんかもありますからね。実際、私自身検査したらゴキブリにアレルギー反応が出ていました。これらが理由となり、今では遠慮なく殺しています。
でも「ゴキは殺したいけどメスゴキを叩き殺すのは嫌!」という方もいるでしょう。なにせ、メスのゴキブリは殺される前に卵を生んで、小さなゴキがウジャウジャって噂が流れていますしね。
安心してください、これは嘘です。というか、嘘と本当が半々。ゴキブリは40〜50の小さな卵を殻で包んだ「卵鞘」というのを産みます。チャバネゴキブリはこの卵鞘を生んだ後に腹部にくっつけて、しばらくの間、卵鞘に水を送ります。ママゴキが死ぬと卵鞘に水が供給されなくなるので卵の多くは熱で死んでしまいます。
クロゴキブリは壁などに産み付けるので、メスゴキを殺したら卵が〜ということはありえません。なのでママの仇とばかりに飛び出してくるゴキ・ベイビーは都市伝説程度に捉えておいて問題ありません。遠慮なく殺しましょう。
もうひとつ、ゴキに関する間違った認識を紹介します。よく、ゴキブリと目があったら自分に向かって飛んできた、というのを聞きますが、人が生活する建物の中を好むチャバネゴキブリはほとんど飛べません。飛べるのは下水道といった湿った場所を住処とするクロゴキブリです。クロゴキブリが家の中に入ってくる確率がゼロではないので安易に「大丈夫」とは言えませんが、まぁ、家の中で目にする多くが飛ばないので飛んでくるかもしれないことを気にして過剰なまでにビクビクする必要はないでしょう。
では最後におさらいです。ゴキを徹底的に殺したいならーー
1)ベイト型罠を置き、数ヶ月毎に異なる味にする
2)ゴキブリホイホイ的な粘着型罠もおいて、中にピーナッツバターを塗る
そして、いざとなったらスリッパや靴。潰す感触が嫌な人に、私が実際にやって使えると思ったのが「蚊取りスプレー」です。比較的大きなゴキがリビングに出たのに殺せるアイテムがなくてとっさに手にしたものでしたが、シュッとしただけで死にました。さすが、「虫を飼っている部屋では使わないでください。蚊だけに限らず虫は死にます」とドラッグストアで注意されただけのことはありました。
いかがだったでしょうか。この記事を通して、私のマレーシアでの対ゴキブリ試合は完全に知識不足からくる大敗北だったことがわかりました。やり方がわかったので、今年の夏は、いや、夏に限らず年間を通してゴキブリ・フリーな生活を送るぞー!
2018年8月6日:誤訳を修正いたしました。現在、「ヤモリ」とすべきところが「イモリ」とされておりました。大変申し訳ございません。