独特の山形弁の語り口調で親しまれた女優のあき竹城（あき・たけじょう、本名竹田明子＝たけだ・あきこ）さんが、１５日に大腸がんのため亡くなっていたことが２０日、分かった。７５歳。山形県米沢市出身。所属事務所によると、約２年前に大腸がんを患い闘病していたが本人の希望から公表せずに治療を行っていたものの、今秋に病状が悪化したという。通夜・葬儀はすでに近親者のみで執り行い、「お別れの会」などを催す予定はないという。

　親しみやすい飾らない人柄で、多くの共演者を巻き込みながらお茶の間に笑顔を届けてきたバイプレーヤーが、静かに旅立った。

　所属事務所によると、約２年前に大腸がんを患ったという。ただ「元気なあき竹城でご挨拶したい」と公表せず、人知れず病魔と闘い続けてきた。近年まで“山形愛”を前面に押し出した「秘密のケンミンＳＨＯＷ」（日本テレビ系）などバラエティーでも活躍していたが、コロナ禍で、テレビ出演を控えるように。レギュラーを務めていた「炎の体育会ＴＶ」（ＴＢＳ）も２０年秋で卒業していた。

　あきさんは宝塚歌劇団に憧れ、ダンスを習い始め、米沢の女子校を中退後、上京。フロアダンサーなど下積みを経て、７４年に日劇ミュージックホールで初舞台。山形の方言を生かしたキャラクターで、テレビでも人気者になった。

　今村昌平監督の「楢山節考」（８３年）を機に女優としての地位を確立。演技力を認められ、以後、性格俳優として「夜叉」「マルタイの女」など映画、テレビに出演多数。ＮＨＫの朝ドラ「青春家族」「どんど晴れ」や大河ドラマ「徳川家康」「天地人」などで名脇役として存在感を発揮。男女問わず幅広い年代の支持を集めた。冗舌な山形弁トークが人気で多くのバラエティー番組にも出演してきた。

　自らの強い意思で、最後まで闘病を知られることなく旅立ったあきさん。所属事務所は「応援してくださった皆様、お世話になった関係者の皆様にこのようなご報告を差し上げることは大変残念でなりませんが、本人は全ての皆様へ感謝の気持ちでいっぱいです。誠にありがとうございました」と、あきさんの思いを代弁しながら感謝をつづった。

　◆あき竹城（あき・たけじょう）１９４７年４月４日生まれ。山形県米沢市出身。女子高を中退後に上京し、ダンサーとして芸の道に入る。映画「楢山節考」（８３年）で今村昌平監督に抜てきされ、女優としての地位を確立。山形弁を隠さない陽気なキャラクターで日本テレビ系「秘密のケンミンＳＨＯＷ」やＴＢＳ系「炎の体育会ＴＶ」などのバラエティーでも活躍した。