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【愛知】国立大で初、全学生に現金 豊橋技科大

2020年5月25日 02時00分 (5月27日 04時32分更新)

エールランチを食べる豊橋技術科学大の学生たち。左から2人目は寺嶋学長=豊橋市天伯町で(同大提供)

 豊橋技術科学大が、新型コロナウイルスの影響で経済的に困窮する学生たちへの支援策を相次いで打ち出している。国立大初となる全学生への現金支給や学食の無料提供をはじめ、返済不要な奨学金の新設を進める。影響の長期化も見据え、学外からの募金もスタート。大学関係者は「学生が勉強や研究に取り組める環境づくりに協力してほしい」と呼び掛ける。
 豊橋技科大は、留学生を含む約二千人の全学生に一律三万円支給を柱にした「緊急学生経済支援プラン」を五月中旬にまとめた。プランは現金支給のほか、「TUTエールランチ」と題して週一回、希望者全員に無料の昼食提供や、新型コロナの影響でアルバイト先がなくなった学生らに学内で働ける場所の仲介など、生活が営めるよう具体策を盛り込んだ。
 この他、大学生や大学院生を対象に始まったオンライン講義を受けるためにWi-Fiルーターやパソコンを無償貸与するなどの支援も用意している。
 きっかけは五月に入ってから寄せられた学生たちの悲痛な声。「新型コロナで保護者が失職して学業継続が難しくなった」「退学を検討している」といった声が大学の事務所に届いた。アンケートで授業料の免除申請について尋ねると、一、二日間で百人を超す希望者が出るなど、事態の深刻さが浮き彫りになった。こうした状況から四月に就任した寺嶋一彦学長が主導して支援策を策定した。
 しかし、支援プランを打ち出す一方で、財源は限られている。そのため十三日には「新型コロナウイルス感染症対策緊急募金」を新たに設け、同窓生や教職員だけでなく市内の企業などから幅広い支援を呼び掛け始めた。
 寺嶋学長は「闘う相手はこの新型コロナウイルスです。この危機に際して団結して、励まし合い、一緒に乗り切ろう」と大学のホームページ上に動画でメッセージを寄せた。募金への協力などの問い合わせは豊橋技術科学大=0532(44)6506=へ。
 (酒井博章)

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