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立川志らく”1度だけ”の浮気 伝説の「10・8」 巨人の4番・落合博満のホームランに思わずガッツポーズしている自分が…

2020年8月18日 06時00分

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立川志らく(c)Shunki OGAWA

立川志らく(c)Shunki OGAWA

「立川志らく ドラ放談」


 竜党を自負する著名人が独自の視点でドラゴンズ愛を語る企画「ドラ放談」。今回は落語家、立川志らく(57)の第2弾です。ファン歴47年を誇る筋金入りの師匠が1試合だけ、他球団に“浮気”したことを大胆告白し、与田監督へも思い切った提言をした。発熱などで一時休養していたTBS系情報番組「グッとラック!」にも17日からスタジオ復帰。舌鋒(ぜっぽう)の鋭さはお変わりなしのようで―。
 昭和48(1973)年から一貫して中日ファンの私だが、1試合だけ浮気したことがある。1994年の「10・8」。あの伝説の中日―巨人だ。最終試合で勝った方が優勝。なぜ浮気をしたのか。それは、大好きな落合博満が巨人の4番を打っていたから。
 私はロッテ時代からの落合ファンで、その落合が中日に来た時は、こんなにうれしいことはなかった。そして、数年後に巨人へ移籍した時は、その喜びと同じくらい悲しかった。
 もちろん、シーズンを通して中日を応援していた。落合は巨人の4番としてそこそこ活躍はしていたが、中日時代ほどのインパクトはなかった。スランプもたくさんあった。だが、落合は巨人入団の際「長嶋(茂雄)監督を胴上げさせるために来た」と宣言していた。落合ファンとしては、落合を男にしてあげたいと思っていた。
 10・8の試合が始まった時は中日を応援していた。しかし、2回に落合がソロホームランを打ち、3回に勝ち越しのタイムリーを打った時、思わずガッツポーズしている自分がいた。でも気を取り直し、中日を応援していた。最後、巨人が勝利し、巨人の優勝が決まった時はガックリと肩を落とした。
 長嶋を胴上げする際に落合が泣いていた。その姿を見た瞬間、巨人が優勝してよかったと思ってしまった。私が唯一、浮気をしたてんまつである。
 長嶋監督のすごいところは落合を信頼し続けたことだ。監督初就任したシーズンでは、打たれても打たれても新浦(寿夫)を使い続けてエースに育てたことがあった。
 名監督は先々のことを考えて選手を起用している。長嶋は、最初の年は巨人史上初めての最下位。当時は新浦なんか使うからだとボロクソに言われていた。成績は2勝11敗。だが、翌年は優勝している。もちろんエースは新浦。その年から4年連続2桁勝利。落合も巨人最初の年はホームラン15本。でも、監督は落合の4番にこだわり、10・8でも4番。
 何が言いたいかというと、今年の与田監督である。われわれ素人に何が分かるんだと監督は思っているだろう。でも、言わせて頂くなら監督は目の前の1勝を取りにいっているように見える。つまりは今年の優勝を狙っての采配。もちろん、それは大事。でも、来年優勝するために、あるいはこのチームを常勝軍団にするための采配も必要なのではないか。
 キャッチャーが固定していないチームは強くないということは、誰しもが言っている野球常識。ならばA・マルティネスを固定して育ててほしい。それに、レギュラーの外国人キャッチャーとなれば話題も大きい。
 そして、もう一人、根尾! 2軍でじっくり育てるのなら今年は1軍に上げなくてよかった。それが昇格させたのだから、何打席ヒットが出なくても使うべきだ。ホームランが1本出ただけでもファンは大盛り上がりのはず。
 根尾は久々の全国区になれるスター候補。1軍に上げたのだから根尾と心中する覚悟なのかと思っていたら、最初の3試合でヒットが出ないくらいでスタメンから外し、15打席目で初ヒットしたのに、結果、2軍に落としてしまった。
 常勝軍団に戻るために、監督! 辛抱して采配してください! スターを育ててください! お願いします。(落語家)
 ▼立川志らく(たてかわ・しらく) 1963(昭和38)年8月16日生まれ、東京都出身の57歳。本名・新間一弘。日大芸術学部在学中の85年10月に落語立川流家元の立川談志に入門。88年に二つ目となり、95年に真打ち昇進。映画に造詣が深く、「シネマ落語」で注目を集める。98年の「異常暮色」で映画監督デビュー。2003年に劇団下町ダニーローズを結成した。19年からTBS系情報番組「グッとラック!」でメインMCとしても活躍中。
 ◆伝説の「10・8」決戦 1994年10月8日にナゴヤ球場で開催された中日―巨人最終戦。ともに試合前まで69勝60敗で並び、プロ野球初となるシーズン最終戦での同率首位球団による直接対決となり、勝った方がリーグ優勝となる大一番だった。試合は巨人・落合博満に先制ソロと勝ち越し適時打を打たれるなどして3―6で中日が敗れ、巨人がセ・リーグを制した。中日は今中慎二が先発。巨人は槙原寛己が先発し斎藤雅樹、桑田真澄と当時の三本柱が継投した。
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