ロマンス詐欺救済をうたい、非弁の疑い 大阪弁護士会が懲戒請求

森下裕介
[PR]

 恋愛感情を悪用して現金をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害金を回収するとして、自身の名前や顔写真を掲載したホームページ(HP)で依頼者を募りながら、実際は弁護士ではない事務員が法律事務を担っていたとして、大阪弁護士会は20日、所属する川口正輝弁護士(38)を弁護士法違反(非弁提携)などの疑いで同会の綱紀委員会に懲戒請求したと発表した。請求は10月23日付。

 同会によると、川口弁護士は広告会社と業務委託契約を結び、HPで依頼者を募集。昨年8月以降、最大で1800人超の依頼者から計約9億円の着手金を受け取ったとみられるという。「着手金を払ったのに対応がない」との相談が同会に複数寄せられたため、川口弁護士に聞き取ると、依頼者の対応を広告会社が派遣・紹介した事務員が担い、着手金の大半を広告会社に支払ったと説明したという。

 弁護士法は、無資格者に名義を貸すことなどの「非弁提携」を禁じ、2年以下の懲役か300万円以下の罰金を科すと定める。

 また、HPの「返金の可能性は必ずある」との表記について、同会は「ロマンス詐欺の被害金回収は実際は難しい」と指摘。誤認させる表示で依頼者を集めたとすれば、弁護士職務基本規程違反にもあたる可能性があるとしている。三木秀夫会長は記者会見で「事実だとすれば明らかな非違行為で、再発防止に努めたい」と述べた。

 同会は21、22、25、26日の午前10時~正午と午後1~5時、川口弁護士の依頼者からの電話相談(06・6364・8951)を受け付けることも明らかにした。(森下裕介)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら