安倍路線との距離はいかほどか? 自民党総裁選、立ち位置も争点に
候補者の乱立が予想される次の自民党総裁選は、菅義偉首相も「継承」を掲げた安倍前政権の路線との距離感も争点になる。官邸に権力が集中し、強いリーダーシップを発揮した前政権は、その副作用ともいえる公文書の改ざんなど深刻な不祥事も引き起こした。総裁選に取りざたされる顔ぶれは、前政権にどう向き合うのか。
立候補に向けた検討に入っている石破茂元幹事長は3日のTBSの番組で、安倍前政権の森友学園の問題にからむ公文書改ざんに触れ、「書類の改ざんや破棄が、あって良いことだとは思っていない。それが国会で平然とまかり通るようなことが、あって良いとは思っていない」と強調した。
総裁選への立候補が取りざたされる顔ぶれは、前政権の評価や受け止めにも言及している。総裁選の後には衆院選が控え、野党は「菅政権がなぜうまくいかなかったのか。9年近い自民党政権全体が問われる」(枝野幸男・立憲民主党代表)などと訴えている。衆院選の「顔」を選ぶ自民党の総裁選でも、「安倍・菅時代」の総括は大きな争点のひとつになりそうだ。
憲政史上最長となった安倍前政権は、1990年代以降の政治改革の帰結として、官邸主導の強い政治体制を築いた。経済政策「アベノミクス」や「積極的平和主義」外交などでアピールを強め、憲法改正に向けた機運向上に力を入れた。
だが、政権も後半にさしかかると、安倍晋三前首相への「忖度(そんたく)」政治の弊害が指摘されるようになった。森友・加計学園の問題や、桜を見る会の問題など、首相に連なる人物が優遇されるような問題が頻発。説明責任に背を向ける姿勢も目立った。安倍氏を官房長官として支えた菅首相は、外交・内政とも前政権をそのまま踏襲した。
「次の首相」はどう向き合う?
次の自民党のリーダー候補は…
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