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ホッケ 𩸽 【通称・別名】真ホッケ、ホッキ

居酒屋の定番メニューでおなじみの魚!安くてうまい!

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ホッケの見た目の特徴
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主な旬
夏・秋
全長
3060cm
身質
白身
漁期
通年
人気度
人気!
味の評価
とても美味!
希少性
普通
重要度
重要!
旬の時期
食味の良さ
産卵期
漁期
4/30
※各情報は平均的な指標であり、地域や個体によって異なります。
Hokkaido Aomori Akita Yamagata Niigata Toyama Ishikawa

ホッケの名産地

多く出荷・流通している産地。または主な漁獲可能な産地。

ホッケの基本情報
分類カサゴ目アイナメ科
外国名Okhotsk atka mackerel
学名Pleurogrammus azonus (Jordan & Metz, 1913)
地域名アホボッケ(小型)、ロウソクボッケ・ハルボッケ(中型)、ネボッケ・タラバボッケ(大型)、ホッキ、ボッケア、ヒガンボッケ    
分布対馬海峡・茨城から以北の日本海・太平洋、オホーツク海、千島列島
漁法定置網、刺し網、底引き網、巻き網
寿命8年
危険性注意マーク刺身ではシュードテラノーバ・アニサキスなどの寄生虫に注意
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ホッケ【𩸽】安くて美味い!居酒屋メニューでもおなじみの魚!主に北海道で漁獲される。新鮮なものは刺身もOK!

ホッケの特徴

主に北国で漁獲される魚で、居酒屋の定番メニューとしても幅広く知られている魚です。

釣り上げたホッケ

ホッケは2種類いる

ホッケには、ホッケ(ほっけ)とキタノホッケ(しまほっけ)の2種類がいます。

真ほっけは、主に北海道産で、縞ほっけは、ロシア・アラスカなどからの輸入が主になります。

一般的に流通している「ホッケの開き・ホッケの干物」のほとんどが「キタノホッケ(シマホッケ)」という魚です。

居酒屋で食べるホッケは縞ほっけが多いかも!

北海道では、真ほっけを刺身で提供しているお店もあります。
ホッケは水っぽい魚なので痛むのが早く、刺身で食べる場合は新鮮なもののみとなります。刺身で食べる場合はシュードテラノーバ・アニサキスなどの寄生虫に注意する必要があります。

ホッケ(𩸽)の名前・漢字の由来

ホッケの幼魚は青緑色をしており海面近くに生息しています。そんなホッケの幼魚が群れで泳いでいる姿が花のように美しいことから、魚へんに花とつけられ𩸽ほっけと言われています。また、北方の魚ということで「北方(ほっけ)」と呼ぶ場合もあります。

生態・漁法

ホッケは、北海道、青森、秋田などの北の海で漁獲される魚です。
国内の漁獲高のほとんどが北海道で獲られます。漁獲方法としては、底引き網漁、刺し網漁、底たて網漁、巻き網漁などがあります。

ホッケは主に群れで行動します。幼魚の時は青緑色の体色をしており、海の表層を群泳していますが、成長するにつれてグレーぽい色になり、底質に生息するようになります。

ホッケの産卵期

主に9〜2月ごろが産卵期となります。地域によって異なります。

ホッケの大きさによる呼び方の違い

  • 幼魚

    【呼び名】
    アオボッケ(青緑色をしているため)

  • 1年目:20cm前後ほど

    【呼び名】
    ロウソクボッケ

  • 2年目

    【呼び名】
    ハルボッケ、中ホッケ

  • 成魚

    【呼び名】
    ネボッケ(沖の根につくもの)、大ホッケ、タラバホッケ

ホッケの旬

ホッケの主な旬は春から夏頃までの間になります。漁獲される地域によって異なり、11月頃までが旬の場合もあります。
ホッケは秋頃からの産卵に備えて、春からたくさんエサを食べるため、秋前の期間が一番脂が乗っています。
旬のホッケは、干物やフライ、塩焼きなどが美味しいです。

味わい・食味

身には水分が多く、生で食べる場合は、新鮮なものや活け締めされたものが良いです。
身に脂が混在しているため甘みがあり美味しいです。
干物にしても柔らかく、骨や皮との身離れが良いため食べやすい魚です。

ホッケの刺身は美味しいのに、なぜ見かけないのか?

ホッケの刺身を食べたことがある人もいるかと思いますが、脂が甘く美味しいです。
そんなホッケですが、刺身などでスーパーで販売するには難しい事情があります。

まず、ホッケを刺身にする場合は鮮度が命です。
ホッケは水分量が多いため、痛むのが早い魚です。
さらに、ホッケにはアニサキスなどの寄生虫がいることが多く、寄生虫の問題も刺身の提供を困難にしています。よくある冷凍させてアニサキスを殺すという方法も、ホッケは水分量が多いため冷凍で味が大きく変わってしまいます。

現在ではホッケの加工技術も進歩しており、生のホッケを美味しく安全に食べることができるような工夫が生まれてきています。

目利き・選び方のポイント

生のホッケを選ぶ場合は、以下のようなものを選ぶようにします。

  • 身がしっかりと硬いもの
  • お腹が硬く張っていて柔らかくなっていないもの
  • エラが鮮やかな色をしているもの

生で購入した場合は、できるだけ素早く内蔵を取り除いて処置をするのが大切です。

水分量が多い内臓から傷んでいくため、臭みの発生の原因にもなりますし、寄生虫除去の意味もあります。
魚が生きている時の寄生虫は、内臓にいることが多いです。しかし、魚の死後、内蔵から身へと移っていくことが多いため迅速な内蔵除去が必要です。

似ている魚との見分け方・違い

ホッケはアイナメ科であり、他のアイナメ科の魚との見分け方を知りましょう。
また、ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方も解説します。

アイナメとホッケの見分け方

アイナメ
アイナメ
釣りでも人気!一年通して美味しい!江戸時代に殿様が食べていた魚

アイナメとホッケの見分け方は、尾ビレを見ることで分かります。

アイナメとホッケの見分け方

アイナメは尾ビレの縁がまっすぐになっているのに対し、ホッケは尾ビレが二叉に分かれています。

ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方

ホッケ(真ほっけ)とキタノホッケ(縞ほっけ)の見分け方は、模様の違いになります。
以下は干物の場合の模様の違いです。

真ホッケとキタノホッケ・シマホッケの模様の違い

真ホッケの場合は、模様が不定形でまだらなのに対し、縞ホッケの場合はしま模様があります。
干物の場合、真ホッケの開きは有頭で流通することが多いですが、縞ホッケは無頭が多いです。

真ほっけと縞ほっけの違い

真ほっけと縞ほっけの違いですが、以下のような違いがあります。

真ほっけ縞ほっけ
・北海道産
・脂が少なめで身が引き締まっている
・北海道で生で食べることがある
・模様は不定形でまだら
・ロシアなどからの輸入
・脂が多めで、真ほっけより大ぶり
・干物として流通しているもののほとんどがこれ
・しま模様がある

ホッケについてまとめ

真ほっけと縞ほっけの違いは?
真ほっけは、背中の模様がまだら模様で、主に北海道で獲れる魚です。 身は引き締まっていて、脂は縞ほっけより控えめです。縞ほっけより小柄なものが多いです。 縞ほっけは体に明瞭なしま模様があります。 主にロシア・アラスカで水揚げされ、日本に輸入されます。 真ほっけより大きめなのものが多く、身の脂が多いため干物にするのに最適な魚です。
ホッケの旬は
ホッケの主な旬は春から夏頃までの間になります。 地域によって異なり、11月頃が旬の場合もあります。
ホッケは刺身で食べられる?
ホッケは刺身で食べられますが、痛みやすく寄生虫の問題もあるため、北海道で釣り上げられた新鮮なもののみに限られます。
参考文献・参考Webサイト

以下は、いつもお世話になっている書籍・Webサイトや、今回参考にさせていただきました書籍・Webサイトになります。ありがとうございます!

【書籍】

  • 荒賀忠一,望月賢二,中坊徹次,小西和人,今井浩次,小西英人著編集(1995)『新さかな大図鑑―釣魚 カラー大全』株式会社週刊釣りサンデー.
  • 小西英人(2018-2021)『釣魚1400種図鑑』株式会社KADOKAWA.
  • 石川皓章著(2010-2019)『海の魚 大図鑑』瀬能宏監修,隔週刊つり情報編集部編,日東書院本社.
  • 『おとな図鑑(2) おいしいお魚百科』藤原昌高監修,ぴあレジャーMOOKS編集部.
  • 藤原昌高(2013)『からだにおいしい魚の便利帳』高橋書店.
  • 島津修(2020)『いちばんくわしい 魚のおろし方と料理』高橋書店.

【Webサイト】

ヽ Author ゞ

おびれ〃

とともん管理人です。元魚屋勤務・海鮮居酒屋店主。調理師。常に魚の情報を追求しています。
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