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東京拘置所長の懲戒請求 [検討]

NHKだけが、日曜日(8月26日)に報じたようですが、

東京拘置所長が、東京拘置所内で被告人を撮影した3人の弁護士の所属弁護士会に対し、その3人の弁護士の懲戒請求の申立てをした

ということだそうです(NHK/NEWSWEBの8月28日の 「接見時の撮影巡り拘置所と弁護士対立」)。

懲戒理由は、「カメラの持ち込みは施設の管理者として定めた内部の規則に違反するものだ。警備に支障が出るほか、被告のプライバシーが侵害されるおそれもある」ということだそうです。

  

この拘置所等の面会室での録画や録音については、 

日弁連は昨年1月20日に、法務大臣と警察庁長官宛に、刑事施設、留置施設、鑑別所等の写真撮影(録画を含む)及び録音に関し、意見書を提出しています(面会室内における写真撮影(録画を含む)及び録音についての意見書」)。

その意見書の内容は、

面会室内における写真撮影(録画を含む)及び録音は、接見・秘密交通権で保障されるべきものであり、

収容施設が制限したり、事後に収容施設が検査することは許されず、

収容施設における写真撮影(録画を含む)及び録音を制限することや検査することを撤廃し、

また、その記録媒体を検査する旨の掲示物を直ちに撤去することを求める

というもので、「写真撮影や録画を制限するな」というものです。

  

さらに、先月31日には、日弁連、関弁連、東弁、一弁、二弁の5団体の連名で、東京拘置所に対し、

東京拘置所における弁護人である弁護士の接見に際して、面会室内での写真撮影等の禁止などの不当な制限を加えないよう

にとの申入れもしているところです(「面会室内での写真撮影等に関する申入書」)。

                 

弁護士会の立ち位置が、「録画や録音の制限は不当」というものであるわけです。

  

そのため、東京拘置所長が申立てた懲戒請求手続は、

綱紀委員会の段階で、「懲戒委員会に事案の審査を求めない」との議決によって終了する。

つまり、「撮影をした弁護士らが懲戒処分を課されることはない」と理解してます。

(もちろん、東京拘置所長は、東弁や二弁の綱紀委員会が下した議決に対して、日弁連綱紀委員会への異議を申立て等の不服申立てをすることは可能とはなっていますが、結論がひっくり返ることなど、当然ないとも思っています。)

      

東京拘置所長の今回の懲戒申立ては、法務省矯正局と協議の上で、当然なされているものと考えられるところです。

撮影をした弁護士らに対する懲戒請求は、やるだけ無駄ということは、お見通しであるはずです。

何でこんな懲戒請求が申立られることになったのか不思議な気がします。

   

 弁護士懲戒手続の流れ.jpg

(上図は、日弁連のホームページの「懲戒制度」のページから引用した図(「懲戒手続きの流れ(PDF形式・21KB)」) となります。)


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