昨年2月にリリースされた「Lemon」のMVが4.9億再生と日本人アーティストにおいて史上最多の記録を更新し続けている米津玄師。2019年もアニメ映画「海獣の子供」主題歌である「海の幽霊」、ドラマ「ノーサイド・ゲーム」主題歌「馬と鹿」とリリースした楽曲が多くの人の心をつかみ、音楽シーンを席巻している。
そんな2019年の活躍を象徴するように「レコチョク年間ランキング2019」では、シングルランキングで米津玄師の「Lemon」が1位、「馬と鹿」が2位とワンツーフィニッシュを飾った。シングル購入総数をもとにしたアーティストランキングでも米津玄師が2年連続1位を獲得!この快挙を記念して米津玄師へインタビュー、2019年を振り返り、また、2020年への想いも語っていただいた。
――「レコチョク年間ランキング2019」のシングルランキングで「Lemon」が2018年に続き、2年連続で1位を獲得されました。おめでとうございます。この結果をどのように感じていらっしゃいますか?
とても光栄です。この曲を作ったのが遠い昔のことのような気分でいます。これからも続くであろう長い人生の中で、このような得難い経験をさせてもらったことに感謝の気持ちでいっぱいです。
「Lemon」
――「シングルランキング」では、「馬と鹿」(TBS系 日曜劇場「ノーサイド・ゲーム」主題歌)が8月の配信リリースから月間ランキングで3カ月連続1位、年間でも2位にランクインしました。この楽曲を制作されたときの想いをお聞かせください。
馬と鹿は「ノーサイド・ゲーム」がなければ生まれませんでした。
自分の中にあるものを大事にするのは勿論ですが、新しく目の前に飛び込んでくるものを拒絶しないことが大事だと思います。一旦自分の中に引き受けてみて、その上で自分のやりたいこと、自分がやるべきことを精査する。
結果必要なければ離れればいい。ひとまず今まで知らなかった何かに歩み寄ることが大事だと考えています。
――ラグビーW杯の多くの会場やスポーツ番組で「馬と鹿」が流れ、感動や勇気を後押ししていただきました。楽曲を制作されていた頃はどのようなことを考えていらっしゃったのでしょうか。
ラグビーを題材にしたドラマということで、スタジアムで歌が流れても耐えうるように、という意識はありました。
ストイックなリズムで、それでいて情緒的に響かせるために苦心したのを憶えています。
毎度一番情緒的なシーンで流していただけたことで、ドラマと歌双方にいい相互作用があったように感じます。重い扉を開けていく人たちに寄り添い、鼓舞するような歌として成立しているのを見て、自分自身身を引き締めて精進しながら生きねばと思いました。
「馬と鹿」
――2019年、ご自身がよく聴いた楽曲のプレイリストをつくるときに欠かせない曲を教えてください。
Cashmere Cat 「FOR YOUR EYES ONLY」
https://recochoku.jp/song/S1008370714/
James Blake 「Where’s the Catch? (feat. André 3000)」
https://recochoku.jp/song/S1007614023/
Jorja Smith 「Be Honest (feat. Burna Boy)」
――2019年は米津さんにとってどのような年でしたか?また、2020年に対して思うこと、抱負をお聞かせください。
2019年は「海の幽霊」という曲を作れたことがとても大きかったと思います。「海獣の子供」という原作に何らかの形で関わるというのは10年来の夢でした。
今年は元号の更新もあり、歴史的にも意味のある年だったと思います。だからこそあらゆる出来事が意味ありげに映ってしまう年でもありました。自分の目には日本の中で凄惨な事件が多発しているように見えたことに対して、自分が目で追っているだけなのかどうか、冷静に客観的に判断しようと努めなければなりませんでした。ここで生活していくスタンスが自分の中で変わり始めたということなのかもしれません。その上でポジティブな音楽を作り続けるためにはどうしたらいいかと日々考えています。
2020年は東京オリンピックが開催される年であり、それにあたり日本は大きく変わっていくでしょう。
過ぎ去ったその後にどう変わっていくのか、一体何が残るのか、確と見定めたいと思います。
「海の幽霊」
編集:「レコログ」編集部
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米津玄師
米津玄師(KENSHI YONEZU)
本名 / 28歳 / 徳島県出身
別名義:ハチ
作詞・作曲・アレンジ・プログラミング・歌唱・演奏・イラスト・アニメーション動画
ハチ名義でボカロシーンを席巻し、2012年本名の米津玄師としての活動を開始。
その独特なサウンドメイクをした楽曲の強さと、リアルな言葉の数々は圧倒的で、今の音楽シーンにはない新鮮さを鮮烈に刻み話題に。2015年リリースの3rdアルバム「Bremen」ではオリコン週間アルバムランキング1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位という三冠を達成、2015年度レコード大賞優秀アルバム賞受賞した。
2016年はユニバーサル・スタジオ・ジャパン15周年企画 “やり過ぎ” コラボ、ルーヴル美術館特別展「ルーヴルNo.9 ~漫画、9番目の芸術~」公式イメージソング、佐藤健・有村架純らが主演の映画「何者」の主題歌を中田ヤスタカ×米津玄師として初のコラボレーション作品として発表したりと、多岐にわたる才能を披露した。同年9月に発売したシングル「LOSER / ナンバーナイン」はオリコン週間シングルランキング自身最高の2位を記録。
2017年2月には羽海野チカ原作のTVアニメ「3月のライオン」エンディングテーマを務め、自身初のアニメタイアップとなったシングル「orion」は、iTunesチャートを始め、各配信ダウンロードサイトで軒並み1位を獲得し、配信11冠という快挙を達成した。6月に発売したTV アニメ「僕のヒーローアカデミア」のオープニングテーマとして書き下ろした「ピースサイン」がオリコン週間シングルランキング2位を獲得。iTunesチャートでもシングル・バンドルと1位を獲得。8月には、初音ミク10周年「マジカルミライ2017」テーマソングとして、ハチ名義の「砂の惑星」を発表し、ニコニコ動画でボカロ最速ミリオンの記録を樹立。また、映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」主題歌をプロデュースし、「打上花火」DAOKO×米津玄師として発表した。11月には4枚目のアルバム「BOOTLEG」を発表し、オリコン週間アルバムランキング1位、iTunes週間チャート1位、Billboard Japan週間チャート1位を始めウィークリー1位の23冠という快挙を達成。
2018年1月からはTBS金曜ドラマ「アンナチュラル」の主題歌として「Lemon」を書き下ろし“トリプル・ミリオン”セールスを記録。「第96回ドラマアカデミー賞」にて【最優秀ドラマソング賞】を受賞。日本レコード協会にて「史上最速」の300万DL認定など音楽史に残る記録を残している。8月には「<NHK>2020応援ソング」として、小学生ユニットFoorinがうたう「パプリカ」を発表。10/31には両A面シングル「Flamingo / TEENAGE RIOT」をリリース。表題曲の1つ「Flamingo」Music VideoはYouTube公開から3時間で100万再生突破と自己最速を記録、オリコン週間シングルランキングで1位を獲得。
「Lemon」は発表後、1年を通してその支持が拡大し続け、2018年・年間ランキング各主要チャートを総なめにし、昨年末には紅白歌合戦に初出場、初のテレビ歌唱が話題を呼び、MV4億再生を突破、デジタル・フィジカル合算300万セールス突破と、年度を象徴する楽曲となり、2019年上半期チャートにおいても尚、軒並み首位を獲得している。
2019年5…