多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

海でも生きられる淡水魚?厄介な魚「アリゲーターガー」

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』(CBCラジオ)、毎週木曜日の「愛ちゃんと木村先生」は、加藤愛アナウンサーが、三重大学名誉教授でおさかな博士の木村清志先生から魚に関するあれこれを学ぶコーナーです。

10月19日の放送では「アリゲーターガー」を取り上げました。
2016年に名古屋城のお堀で見つかり「ワニがいる!?」と話題になったアリゲーターガー。一体どんな魚なのでしょうか?

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名古屋城のお堀で捕獲の過去

アリゲーターガーは、その名の通り「ガー」の仲間。ガーの仲間はアメリカ大陸のみに生息している魚で、本来はアジアにはいない外来種です。

通常で2メートル、大きいものだと3メーターになるものも。さらに魚食性が強く、日本に本来分布している魚を食べてしまうため、生態系を乱します。日本の魚がいなくなってしまうという意味で、非常に危険な魚です。

ガーの仲間である「ガー科」の魚はすべて「特定外来生物」に指定されています。

観賞用などで飼育していた人が飼いきれなくなって手放したことから、日本で増えたといわれているガー。

7年前の名古屋城での捕獲作業を覚えている多田しげおは、「確かにデカかったですねー!」と当時の印象を語ります。
2~3メートルということは、一般的に人間よりも大きな魚ということ。

多田「何も知らずに出会ったら、怖いぐらいの魚ですね」

ワニのような口と堅いうろこ

そんなアリゲーターガーの特徴は、「口」と「うろこ」にあるそうです。

まずは「口」。「アリゲーター」というだけあって、ワニのような大きな口と鋭い歯で、魚を捕まえます。

加藤「言われてみると、本当にワニがそのまましっぽを付けて泳いでいる感じがしますね!」

木村先生「上から見るとワニのようには見えますね」

そして硬い「うろこ」。名古屋城のお堀で獲れたアリゲーターガーを解剖する際、電動グラインダーのようなもので切ったそうです。

多田「となりますと、分類上は魚類ですけど、事実上はワニみたいなもんですね」

加藤「ワニみたいな口というのは覚えている方が多いんですけど、なんといっても鱗が硬いということです」

その硬さは、ナイフが刺さらないほどだというからかなりのものです。

淡水魚なのに海でも生きられる?

アリゲーターガーは淡水魚。大きな川の淀みのところに生息していて、流れの速いところにはいません。沼地や湖にも生息しています。

木村「だからお堀なんかは良いところなのかもしれませんね」

しかしアリゲーターガーの一部は、海や河口にも生息しているそうです。

今から10年ほど前、木村先生が三重県志摩市の水産実験所に勤務していた時に「港で変わった魚が獲れた!」と持ち込まれた魚こそが、このアリゲーターガーだったというのです。

木村先生「それは標本で残してますけどね。海でも生きられるというような魚なんで。逆にいうと海を使って分布を広げる可能性もありますしね」

この時のアリゲーターガーは、北米から太平洋を泳いで渡ってきたものではなく、誰かが海に放してしまったものだったそうです。

適応力があり、海でも生きられるアリゲーターガー。飼育しきれなくなったからといってむやみに放してしまうと、大変なことになります。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2023年10月19日08時29分~抜粋

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