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美人秘書

「おねがい社長!」というゲームアプリを知っているだろうか。

そう言っといてなんだけど私はやったことがないのでよくわかんない。このアプリの広告動画をよく見かけるってだけの話です。

「おねがい社長!」は会社経営をテーマにした育成シミュレーションゲームで、主人公の男が会社を立ち上げてだんだんと成り上がっていき人生大逆転ハッピースマイル的なことを目指す(らしい)。

たぶん広告にもたくさん種類があるんだろうけど、私がよく見かけるパターンがこのあたり。

・パターン①
美女とおばさんが車に轢かれそうになる→おばさんの方を助ける→助けてもらったおばさんが1億円くれる→もらった1億円でスイカ屋を開業する→お店のスタッフとして助けなかった方の美女を雇う→売上爆上げ&10連ガチャでウハウハ

・パターン②
駅のホームで事故りそうな美女をダイブして助ける→助けた美女に「触るな!汚い!」と罵られる→侮辱を受けてムカついたので借金センターで10万借りる→10万でタピオカ屋を始める→儲かったお金で車を買う→車を運転しているとおばさんが倒れている→助けてあげると10連ガチャゲット!→さらに資金が増え会社を興す→自分を侮辱した美女が秘書の面接にやってくる→採用して逆にはずかしめる

・パターン③
捕まっていた鶴を助ける→鶴が美女の姿になり泊めてほしいとやってくる→さらになんの脈絡もなく美女から「秘書にしてほしい」とお願いされる→秘書に採用する→いきなり企画書を渡され、それを社長に見せると昇進を告げられる

・パターン④
美女がチンピラに襲われているところを助ける→助けた美女に惚れられると思いきや、実は富豪社長の愛人で笑いものにされてしまう→侮辱されて逃げた主人公はたまたま10連ガチャチケットを拾い、なんやかんやでLv99の社長になる→さっきの美女が媚びてくる

うーむ、非常にバカバカしくて良い。なんかこういうのを見ていると、「美人秘書がほしい」というのが男の野望としてひとつあるんだろうなあと思った。

でも一旦ちょっと冷静に考えてみてほしい。もし職場に美人秘書がいたら仕事が捗らなくならないだろうか。そもそも秘書が美人であっても自分の彼女ではないわけだから変なこともできないわけだし。なまじ変なことをしたとして、仕事に支障があっても面倒臭いし。

そうなると秘書が美人であっていいと思うのって、コーヒー淹れてもらった時に「美人が淹れてくれるとうまいなあ」と思うくらいであって、だとすればあんまり意味がないのかなあ、と思ったりする。

じゃあ、かといってすっごい好みじゃない秘書だったらどうだどろう。うーん……それはそれでまあ、仕事やるしかないので集中できるけど仕事の合間に妄想する楽しみがないだろうし。

というか、そもそも「秘書に美人を採用しよう」という発想が男のコンプレックスの表れなのかもしれない。モテない人生だったとしても仕事で大成すれば美人とお近づきになれるよっていう、なんかそのストーリー自体がなんともまあ安い感じはするな。令和の時代にこんなのルッキズムがすぎるだろう。

じゃあもし私が実際に起業したとして、秘書を募集したら「めちゃくちゃ有能な男」と「仕事はそれほどでもないけどものすごい美女」が応募してきたらどうするかって?

えーーーーー。そういう難しいことは私、わかんないや。明日のことと、秘書のことはいつだって不明確な私なのさ。

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