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海辺の悲劇-ジョン・L・ゴーント(ピューリッツァー賞-1955)

海辺の悲劇:John L. Gaunt (ピューリッツァー賞-1955)

ジョン・L・ゴーント(John L. Gaunt /ロサンゼルス・タイムズ) ”海辺の悲劇(Tragedy by the Sea)“ 1955年- Pulitzer Prize

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(cc)Tragedy by the Sea- by John L. Gaunt

ジョン・L・ゴーント(John L. Gaunt,1924-2007 /American photographer)

どうしょうもない瞬間が、人生には何度かはある・・
ご両親のお気持ちを察しても察しきれないモノが、そのフォトグラフに写っている。
そして、それは、じわじわと、こちらの心に迫る、それは、今もだろう・・・

1954年4月2日、カメラマンのジョン・L・ゴーントも夕方からの仕事の為、家でゆっくりとした朝を過ごしていた。
何の変化もないいつも通りの朝であった。
風が心地よく、天気も良いので海岸を歩く近所の人々がちらほら見えた。
その時、海岸の方から悲鳴が聞こえた。
ゴーントは近くにあったカメラを持って海岸まで急ぐと、叫びながら波打ち際を行ったり来たりしている夫婦が見えた。状況把握が出来ないまま、ゴーントは、取り敢えず仕事柄、その夫婦を撮影した。
後に分かったの事は、ゴーントが海岸に駆け付ける数分前に、夫婦の1歳7か月の子供が波にさらわれてしまったていたのだ。
夫婦は息子を助けに行こうとしたのだが波打ち際で、なすすべなく立ち往生するしかなかった。

70年近く経っても、居たたまれない話だ。それから、波にさらわれた御子息は、その日の夕方に1.6km離れた浜辺で遺体となって発見された。深く、ご冥福をお祈りしたい。

#イメージと文化 #ピューリッツァー賞1955

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