[18日 ロイター] - 中国の習近平国家主席が議長を務める来週の中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議について、ミャンマー国軍のミン・アウン・フライン総司令官の参加を認めるよう中国が働き掛けを行ったが、反対する国々を説得できなかったことが、外交筋の話で18日、明らかになった。

ミャンマー国軍が2月のクーデターで全権を握って以来、同国のASEAN加盟国としての地位が焦点となってきた。クーデタ―に反対する一部加盟国は司令官をASEAN関連会議から排除することで国軍に圧力を掛けるべきだと主張。

ASEANは先月、ASEAN特使がクーデターで地位を追われたミャンマーの議員と面会することを認めなかったとして、ミン・アウン・フライン氏のASEAN首脳会議への出席を認めず、代わりに非政治的な代表者を招くという前例のない決定を下した。結局、同月に行われた会議にミャンマーの代表者は参加しなかった。

11月22日に開かれる中国・ASEAN首脳会議については、インドネシア、ブルネイ、マレーシア、シンガポールがミン・アウン・フライン氏の参加を認めるべきではないと主張していることが、外交・政治筋の話で明らかになった。

インドネシア外務省の報道官は、ミャンマーからは非政治的な代表者が出席すべきだというスタンスに変わりはないと確認した。

マレーシア、シンガポール、ブルネイ、ベトナムからコメントは得られていない。

域内の外交筋によると、中国の孫国祥・アジア問題担当特使が先週、シンガポールとブルネイを訪れた際、両国はミン・アウン・フライン氏は22日の会議に参加すべきではないと主張。

孫氏は先週末にミャンマーの首都ネピドーでミン・アウン・フライン氏と面会し、中国はASEAN側の主張を受け入れざるを得ないと伝え、「ASEANが適用している非政治的代表者の原則を維持する」と伝えたという。

ASEANは何十年も内政不干渉を原則としてきたが、ミャンマーのクーデターによって変化がもたらされた。