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東電元会長ら旧経営陣3人 再び不起訴処分

2015年1月23日 1:59
東電元会長ら旧経営陣3人 再び不起訴処分

 福島第一原発の事故をめぐり、検察審査会の議決を受け再捜査を行っていた東京地検は21日、東京電力の勝俣元会長ら旧経営陣3人を再び不起訴処分とした。

 嫌疑不十分で再び不起訴処分となったのは、東京電力の勝俣恒久元会長、武藤栄元副社長、武黒一郎元副社長の旧経営陣3人。勝俣元会長らは一度、不起訴処分となっていたが、検察審査会が「起訴すべき」と議決したため東京地検が再捜査を進めていた。

 東京地検は、再び不起訴とした理由について「当時、大津波が発生し、主要機器が浸水する危険性を認識すべき状況だったとは言えない」などと説明している。

 福島原発告訴団・武藤類子団長「検察審査会で起訴相当と出したのは多くの国民の総意だと思う。それを検察は無視したと感じています。大変がっかりしているとともに大変憤りを感じています」

 一方、東電の旧経営陣を告訴・告発していた「福島原発告訴団」は、「被害者の苦しみや怒りを理解しようという誠意が全く感じられない不当な決定」と厳しく批判した。

 今回の不起訴処分を受け、検察審査会は2回目の審査を行うことになるが、もう一度「起訴すべき」との議決が出ると、勝俣元会長らは強制的に起訴されることになる。