奥菜恵 (撮影:野原誠治)
 女優の奥菜恵のハリウッド・デビュー映画「シャッター」が9月6日に公開になる。スピリチュアル・フォトをモチーフに、新婚夫婦を襲う霊の恐怖を描いたスピリチュアル・スリラー。奥菜は、物語のキーパーソン、メグミ役を好演している。

 昨年5月、同作品の撮影後に所属事務所を退社。一部で芸能界引退を報じられたこともあったが、今年5月に舞台で芸能活動を再開した。「忘れたとは言わせない。」がキャッチコピーの本作。8月6日に29歳の誕生日を迎えたばかりの奥菜に、見どころと今後の抱負について聞いた。

奥菜恵、写真ギャラリー

――映画「シャッター」の見どころは?

奥菜恵(以降、奥菜):今回は、スピリチュアル・スリラーという新しいジャンル。ホラーではないんですね。怖いんだけれども、いろんな要素が詰め込まれた映画ということで、自分が演じているっていうこともあるんでしょうけれど、切なさの残る映画だと感じています。

――役のメグミに共感できるところはありますか?

奥菜:そうですね。共感できるところもありますね。共感できないところもあるけど(笑)。

――例えば、どんなところに共感できる?

奥菜:やっぱり、映画とか本とかを読んでても、自分の何かとリンクするから、笑ったり、泣いちゃったりするんだと思うんです。全く環境も人格も違うから、ここがっていうのは無いんですけど、女性として理解できる気持ちはあります。

――共感できないところというのは?

奥菜:やっぱり、命を絶つのは…。結果的に自分をそこまで追い込んでしまうっていうのは、一番悲しいことだと思います。

――役作りはどのように?

奥菜:言葉を発しないシーンも多く、目の表情やたたずまいで感情を表現しなければならなかった。だからこそベンという恋人と出会って、メグミという女性にどういう気持ちの変化があって、どういう苦しみがあってっていう、その過程や背景を丁寧に探っていくようにしました。

――実際に幽霊を見たことは?

奥菜:あるかどうか分からないです(笑)。でも、いるのかもしれないですね。

――恋人のベンを一途に思い続けたメグミのように、誰かを思った経験はありますか?

奥菜:(恋人は)一途に思うものだと思います。

――なるほど(笑)。小茉莉(こまり)という名前で、写真撮影等もされていますが、今回の作品のような写真を撮ってしまった経験は?

奥菜:ほんとに小さい頃ですけど、小学校の合宿で林間学校みたいなところで、写ってしまったことがあります。

――どんな写真でした?

奥菜:お母さんが赤ちゃんをおんぶしていて、かすりの着物を着ているんですけど、風車を持っている写真でした。すごい怖くて、どうしていいか分からなかったです。

――その写真はどうしました?

奥菜:そのまま家にあります。

――捨てるのも怖いかも知れませんね。

奥菜:そうですね(笑)。

――8月6日に29歳の誕生日を迎えられました。20代最後の年になりますが、抱負は?

奥菜:そっか、20代最後か…。あまり考えたこと無かったんですけど、自分の人生が豊かになるような経験をしていきたいと思います。普通にしていると時間だけが過ぎちゃったりするけど、そうじゃなくて、感性が磨かれるもの。人間の心の中にいろいろ感じるところがあると思うんですよ。キレイでも、幸せでも、なんでもいいんですけど、それをできる限り感じていたいです。

――今回の映画のキャッチコピーに「忘れたとは言わせない。」とありますが、何か思うところはありますか?

奥菜:無理やりですね。たぶんあまり接点は無いと思います(笑)。これが復帰っていうか、復帰っていう言い方はちょっと違うんです。別に(芸能界を)辞めていたワケではないんです。

◇作品情報
「シャッター」(配給:20世紀フォックス映画)
9月6日(土)より、お台場メディアージュ他、全国ロードショー

<公式サイト>
http://movies.foxjapan.com/shutter/