中国メディアは、「量が少ない日本料理がどうして往々にしてボリュームのある中国料理よりも値段が高いのか」とする記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本が誇る食文化は世界で大きな注目を集めている。中国にも日本食ファンは多いのだが、一方で中国人観光客からは「日本の料理は量が少なくて物足りない」という声もしばしば聞かれる。中国メディア・東方網は11日、「量が少ない日本料理がどうして往々にしてボリュームのある中国料理よりも値段が高いのか」とする記事を掲載した。

 記事はまず、寿司や天ぷらなどといった本格的な日本料理の値段が高い1つめの理由として、選ぶ食材に対するこだわりの強さを挙げた。日本料理には食材が持つ本来の味を消すことなく、素材の味を生かした調理が求められるため、素材選びが味を大きく左右することになると紹介。質や鮮度が高いものを選ぼうとすれば自ずとコストも高くなるとして、その極致にあるのが寿司や刺身だと伝えている。

 また、寿司一つとってもメインとなる魚介類の食材選びだけにこだわりを持っているだけではなく、ネタと合わせるお米やワサビ、海苔、醤油といった脇役的な存在についても決して妥協はしないのだと説明した。

 そして、2つめの理由として職人の精緻な技術を挙げている。例えば、寿司ではシャリの温度、各ネタに対する下ごしらえの具合など、その工程1つ1つに非常に厳しい技術の質が要求されると紹介。これらをマスターするには少なくとも10年の時間がかかり、その先も生涯にわたって極致を求め続けるのだと伝えた。

 記事は、本格的な日本料理の値段が高いのは、新鮮な素材を新鮮なまま、自身が持つおいしさを最大限に生かすために職人が惜しむことなく注ぐ努力の対価なのであると評している。

 中国料理には中国料理の良さがある。一方で、日本料理も当然他には負けない良さを持っている。それぞれの良さが大きく異なるからこそ、中国の人びとは自国の豊かな食文化を愛しつつ、日本の食文化に興味を持ち、愛好するのかもしれない。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)