起きやすい病気/ケガ
本来は日本の風土に合った体質だったのですが、輸入個体の血統が導入されたことや乱繁殖により、遺伝的な疾患が多くなりました。遺伝的な疾患として、胎生期の形成がうまくいかなかったことから、心室の間に穴が開く心室中隔欠損症や甲状腺機能低下症、アレルギー性皮膚疾患、膝蓋骨脱臼、緑内障、老齢性認知障害などが好発します。
歴史
柴犬のルーツは、縄文時代までさかのぼります。縄文人が生活をともにしていた「縄文犬」と呼ばれる犬が、日本犬の原型とも考えられています。縄文犬に近いのが北海道犬や琉球犬です。弥生時代になると、渡来系弥生人が連れてきた、大陸系の犬との交雑があったようです。このころ多く存在したのが「弥生犬」と呼ばれ、柴犬や甲斐犬、紀州犬などの本州の日本犬のルーツになりました。日本犬は、縄文時代から受け継がれてきた、生きている遺産ともいえるのです。
ドッグショーでの評価基準
頭部スカルは、前頭部が幅広く、ストップがはっきりしていて、浅い額溝があります。鼻の色は黒が望ましく、マズルはほどよい太さで先が細くなります。歯の咬み合わせは上の切歯の内側に下の切歯の外側がわずかに接するシザーズ・バイトです。目は三角形で、色は暗褐色です。目じりが少し上がっています。耳はやや小さく、三角形でわずかに前に傾き、しっかりと立っています。首は太く、頭部および胴体との釣り合いが取れています。胴体の背はまっすぐで、腰は幅広く、胸は胸底が深く、あばらがほどよく張り、腹はよく引き締まっています。尾は付け根の位置が高く、太く、力強く、背上に巻くか、鎌状の湾曲した差し尾で、垂らした場合は、先端がほぼ飛節に達します。前肢は前から見てまっすぐで、肩甲骨がほどよく後方に傾斜しています。後脚は大腿、下腿がともによく発達しています。前・後の足はきつく握られ、十分に隆起し、パッドは硬く、弾力があります。爪は硬く、色はダーク(暗色)が好ましいとされます。