1888年の版画に描かれた死体盗掘者たち。19世紀の作家たちは、このおぞましい魅力に抗えなかったようで、多くの作品に死体盗掘者を登場させた。メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』（1818年）では、ビクター・フランケンシュタインが死体安置所に忍び込み、死体の部位を集めてモンスターを作り上げた。1830年代から40年代にも、墓泥棒たちは、安価な大衆ホラー小説に頻繁に登場した。そして、チャールズ・ディケンズの『二都物語』（1859年）のジェリー・クランチャーは、表向きは銀行の雑用係だが、夜になると墓地で売れる死体を探す。また、小説家のロバート・ルイス・スティーブンソンは、バークとヘアの殺人事件から着想を得て、1884年に『死体泥棒』を書いた。自分たちの解剖学の授業で使う死体を調達する2人の医学生が登場するゴシックスリラーだ。（CHRIS HELLIER/AGE FOTOSTOCK）

19世紀初頭の手術器具。（CHARMET/BRIDGEMAN/ACI）

英国の外科医ウィリアム・チェゼルデンによる解剖の様子を描いた18世紀の油絵。ここに描かれているように、解剖学の授業には死体が必要になる。（STEVE VIDLER/AGE FOTOSTOCK）

英国、エディンバラのグレイフライアーズ・カークランド墓地の墓に設置された「モートセーフ」。死者を死体泥棒から守るために取り付けられた器具だ。鉄製の格子やおりで、墓の上にかぶせるように配置する。19世紀には人気商品となり、実際に効果もあった。死者を守るため、墓地に見張り台が作られることもあったが、一番安全な区画を占めたのは裕福な人々だった。（KUMAR SRISKANDAN/ALAMY STOCK PHOTO）

当時の英首相のウェリントン公爵と内務大臣のロバート・ピールを、女性を殺害するバークとヘアに見立てて描いた1829年の政治風刺画。「お粗末で古臭い憲法夫人をバークする」という題名がつけられている。事件の裁判が報道されるなかで「バーク（burke）」（窒息死させる、葬る）という動詞が生み出された。（ALAMY/ACI）

ロイヤル・ロンドン病院の墓地から見つかった頭蓋骨。解剖を行った跡が残されている。（STEVE VIDLER/ALAMY STOCK PHOTO）