キム・テヒ:「最後には衝撃的などんでん返しが……」 ドラマ「アイリス」最終回

「アイリス」のPRのため来日したキム・テヒさん
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「アイリス」のPRのため来日したキム・テヒさん

 TBS系で放送中の韓国スパイアクションドラマ「アイリス」が1日午後9時に最終回を迎える。2クールにわたって放送され、謎が謎を呼ぶスパイの心理戦や巨額な制作費をつぎ込んだ映画並みのスケールのアクション、スンヒ(キム・テヒさん)を巡るヒョンジュン(イ・ビョンホンさん)とサウ(チョン・ジュノさん)の三角関係などのラブストーリーもあり、目が離せない展開が続いた。最終回にはさらに衝撃的などんでん返しもあるという。PRのため8月に来日したキムさんに話を聞いた。(細田尚子/毎日新聞デジタル)

ウナギノボリ

 −−キムさんにとって昨年韓国で放送された「アイリス」は久しぶりのドラマ出演だったとお聞きしましたが、スンヒはどういう人物だと思い、どのように役作りをしましたか。

 スンヒは国家安全局(NSS)のプロファイラーという職業ですので、とても知的で冷徹で、相手をちゃんと把握できる鋭さを持ち合わせていると思います。また、NSSという組織のエージェントなので内面も強いところがある。ただ、自分が愛する男性の前では本当に女らしいところも見せる、そんな女性だと思いました。性格もとても堂々としていて、お酒も強くて、お酒の席では男性をリードできるような、きっと友だちの中で男の人も多いだろうなと思えるような性格だと思います。

 −−スンヒの性格とキムさん自身の似ているところと違うところは?

 まず似ている点は、私の場合、スンヒと同じように仕事であれ、恋であれ自分が確信を持ったことに対しては、とても情熱的に反応し、周りの状況に関係なく、たとえばそれが危険を伴うことであったとしても大胆に打って出るというところは似ているんじゃないかなと思いますね。逆にスンヒはお酒が強かったり、みんなをリードしていく、そんな肝がすわったところがありますけど、その点、私はスンヒよりどっちかというと消極的だし、お酒も弱いですし、ちょっと内気なところもありますね。

 −−スンヒと(NSS要員の)ヒョンジュンは愛し合っていますが、一方で(IRISメンバーの)サウがスンヒに思いを寄せていて三角関係になりますが、キムさん自身は三角関係になったことはありますか? また、なければ三角関係になったらどうしますか?

 三角関係になったことはいままで一度もありません。実際に「アイリス」の中ではそういう関係になるんですけれども、事前にこのドラマの中で恋愛関係をどう進めていこうか、みんなでいろんなアイデアを出し合って、会議をしたんですね。そのときに制作者(プロデューサー)が「やっぱりヒョンジュンとサウという男性2人がスンヒのことを好きなんだから、視聴者もスンヒはどっちが好きなんだろうかとずっと引っ張っていかないと」とおっしゃったんですね。でも私はそれを聞いて全然納得がいかなかったんです。というのも、私の性格もあるんですけれども、私がもしそういう関係になったとしても、自分がこの人が好きだと思ったら、私はその人しか見られないと思うので、スンヒはあくまでもヒョンジュンに対して愛情がわくから、サウがいくらスンヒのことが好きでも友だちに過ぎないと思う。そうでなくては私はスンヒというキャラクターを理解して生きることができないと思いました。

 −−ドラマの前半では秋田で撮影したシーンが出てきます。初めての日本ロケとお聞きしましたが、韓国との違い、エピソードなどを教えてください。

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 いままで(グラビア用の)写真やCMということで日本に来て撮影をしたことはありましたが、ドラマの撮影は初めてでした。秋田は都心ではなく地方都市で、大都市と比べれば田舎なので、より一層皆さんの温かい人情を感じられました。撮影したシーズン(09年3月ごろ)はまだまだ寒い季節だったんですけれども、それにもかかわらず、住民の皆さんやファンの方たちも私たちの宿から出るときもすでに待っていてくださって、手を振って送り出してくださいましたし、また、いつ戻ってくるか分からないのに、宿の前で待ってて、出迎えてくださったりと、本当に皆さん力になってくださいました。そして皆さん、決して自分勝手な行動をすることもなく、ルールをきっちり守って礼儀正しくしてくださったのが、とても印象的でした。また、ビョンホンさんがいらっしゃったので、どこに行っても日本のファンの方がたくさん待っていたんですけれども、撮影の際も、規制をする必要もないほどに、皆さん協力的で整然と秩序を守ってくださいましたし、ビョンホンさんと冗談を言っていたことがあって、彼が「自分たちの撮影場所が分からないときは、ファンの人についていったらいいよ」と言っていたくらいスケジュールをご存じでした(笑い)。

 −−(ロケ現場になった)田沢湖のたつこ像を見てどう思いましたか?

 秋田での撮影は私の場合はおもにビョンホンさんとのラブストーリーの部分だったので、ビョンホンさんがアクションを撮っている間は私はお休みをもらえたんです。だから実際にたつこ像の前で撮影する前のフリータイムのときに田沢湖をドライブしたりしました。本当に美しい景色できれいな湖の周りを美しい山々が取り囲んで、韓国ではなかなか見られない景色だなと思いました。あんな大きな湖はなかなかないですし、それを取り囲んでいる山々には雪があって、美しいなと思いました。たつこ像の言い伝えのだいたいの内容(永遠の若さと美ぼうを願い、湖神となったと伝えられる伝説の美少女)は知ってるんですけれども、それは言い伝えではなくて実際のことではなかったかと思わせるような、本当にすてきなきれいな景色でした。

 −−温泉に入るシーンもありましたね。秋田で温泉には行かれましたか?

 毎回毎回、違う温泉にいろんなところに行きました。韓国にも温泉はあるにはあるんですけど、韓国国内だと皆さんが私の顔を知ってるということで、気楽に行けませんし、日本みたいに天然の温泉というのもさほど多くないんですね。済州島(チェジュド)くらいにしかないかな。とくに露天風呂はなかなかないので、秋田では露天風呂を楽しみました。とくに雪が降っている中で温かいお風呂につかっているというのは趣があって本当によかったです。

 −−さてついに最終回を迎える「アイリス」ですが、見どころを。

 終盤にいけばいくほど私が演じたスンヒの正体がどんどん気になっていくと思うんですね。ヒョンジュンもスンヒの真意を測りかねるそんな状態になっていくと思います。そこがある意味どんでん返しのヒントになっています。スンヒの正体は最終回にならないと明らかにならないので、そこが楽しみだし、見どころだと思いますし、本当に最後には衝撃的などんでん返しがあるのでご期待ください。

 −−最終回を楽しみにしている視聴者にメッセージを。

 まずは「アイリス」という作品を皆さん愛してくださってありがとうございます。そして最後までずっと関心を持って期待を寄せてくださって感謝しています。私自身はこの「アイリス」という作品をきっかけにして日本のファンの皆さんの前でよりよい姿を見せられるように、また他の作品でもお会いできるように努力していきたいと思っています。今後も日本の作品や皆さんの目に触れるような作品にも参加していきたいと思っていますので、皆さんも待っていてください。

 −−スピンオフ(11月に韓国で放送予定)も作られているようですが、続編があったら出たいですか? またあるという話は聞いたことがありますか。

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 スピンオフについては本編とは全く違う俳優さんが出演し、いまちょうど撮っているはずです。おそらく予定通りだったら年内に放送されるんじゃないかなと思います。続編についてはまだとくに実際に作るとか、具体的な話はないんですけれども、具体的なお話になったらどういう内容かを見て、オファーがあったら検討してみたらいいかなと思っています。

 −−次回作は決まっていますか? 今度は間をあけないで出演されるんでしょうか。

 「アイリス」が終わってすぐに次の映画の撮影に入りました。その映画の撮影が7月末くらいに終わったばかりです。その次はドラマの撮影なんですけれども、これから撮影に入って、おそらく放送されるのは来年1月くらいになると思います。内容はロマンチックコメディーです。

 −−今後、どういう女優になりたいですか。

 あれこれと計画を立てていくタイプではないので、とりあえず仕事は与えられたものに忠実に臨みたいと思っています。いろんなお話をいただいているので、今後いい作品、いい機会が与えられたら、それをできるだけいい結果につなげていければな、と思います。演技の面でもさまざまな役柄に挑戦したいと思いますし、韓国だけでなくて日本でもそういう機会があればぜひ挑戦したいなと思っています。

 −−10年後どうなっていると思いますか。

 10年後は当然考えてみることはあるんですけれど、なかなか答えは出てきません。ただ10年後であれば、結婚していたらいいなと思います。そして、これから先も演技も続けられるといいなと思います。女優が年を重ねていくと、どうしても自分が任される、演技をできる役柄の幅が狭まってしまいがちなので、私なりに演技できる領域というのが持てているといいなと思いますし、10年後も皆さんに愛してもらえる女優であればいいなと思います。

 −−日本のマンガ、アニメ、ゲームで好きなタイトルを教えてください。

 ゲームはパソコンの前にずっと座っていられないたちなので……(笑い)。日本のアニメは本当に好きで、宮崎駿監督の「ハウルの動く城」とか、とても好きで一連の作品は見ています。マンガはあまりたくさんは読みませんが、あだち充さんの「H2」や「ラフ」などラブコメディーは読んでいました。ああいうマンガは今読んでもきっと面白いと思います。

 ◇秋田ロケ……前半のスンヒとヒョンジュンがデートする場面やアクションシーンは秋田県仙北市の田沢湖周辺で撮影された。スタッフが宿泊した「田沢湖ホテルイスキア」のイ・ビョンホンさんが泊まった部屋は現在宿泊客に限って見学できる。その他にも温泉デートした鶴の湯温泉や地ビールを楽しんだ「湖畔の杜レストランORAE」、湖畔にある田沢湖のシンボル「たつこ像」などのロケ地には日本のファンだけでなく、韓国からもファンが多く訪れている。韓国でのヒットを受けて秋田空港の秋田−ソウル便は189人乗りの航空機から290人乗りに機体を替えて対応した。

 <プロフィル>

 1980年3月29日生まれ。ソウル大在学中にスカウトされファッションモデルとして芸能界にデビューした後、映画「プレゼント」(01年)やドラマ「レッツ・ゴー」(02年)など女優として活躍。テレビドラマ「天国の階段」(03年)で注目を集め、03年のSBS演技大賞・ニュースター賞を獲得する。09年に韓国で放送された「アイリス」にドラマでは5年ぶりに出演。

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